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廃棄物再利用率100%に向けた取り組み「サーキュラーシティ丸の内」第6弾 TOKYO TORCH街区で生じた食品廃棄物を堆肥・液肥やクラフトジンに利活用
~サントリーHDおよびエシカル・スピリッツと連携した資源循環プロジェクト~
三菱地所株式会社(以下、三菱地所)はこのほど、関係権利者の方々とともに開発を進めている東京駅日本橋口前「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」街区において、サントリーホールディングス株式会社(以下、サントリーHD)およびエシカル・スピリッツ株式会社(以下、エシカル・スピリッツ)とそれぞれ連携・協働し、街区内で発生する食品廃棄物を有効活用し、循環させる2つの取り組みを開始しました。
サントリーHDとの連携では、同社が開発したみみずコンポスト「mimizunchi(ミミズンチ)」を街区内に設置します。街区内の飲食施設から出る食品廃棄物の一部(生ごみ等)をコンポストに投入し、みみずの消化活動がそれらを分解、栄養豊富な堆肥・液肥へと生まれ変わらせます。できた堆肥・液肥は、街区内の一部の植栽で肥料として活用します。
エシカル・スピリッツとは協働で「クラフトジン」を製造します。同社が有する未活用素材を使用したスピリッツ製造の実績・ノウハウを活かし、街区内のカフェのコーヒー抽出後の「コーヒー粉」や街区内でつくられた肥料を使って栽培・収穫される果物「柚香」を活用し、クラフトジンを製造・販売します。 三菱地所は、長期経営計画2030で掲げる廃棄物の再利用率向上と排出量削減に関する目標達成に向けて、2022年より丸の内エリアにて、「資源循環」に着目した取り組みとして「サーキュラーシティ丸の内」プロジェクトを展開してまいりました。今回のTOKYO TORCH街区での取り組みもその一環であり、資源循環の仕組みを都市に実装することで、環境負荷の最小化を目指します。
三菱地所は今後も、テナント、就業者、来街者をはじめとする多様なステークホルダーとともに、環境にやさしい持続可能な都市の実現に取り組んでまいります。
■mimizunchiについて
飲食店などから出る食品廃棄物をコンポストに投入すると、コンポスト内に生息する数万匹のみみずがそれを食べて分解し、消化します。その際に排出されるみみずの排泄物には多様な微生物(菌叢)が含まれており、土壌を豊かにする効果があるほか、植物の生育に不可欠な窒素・リン酸・カリウムといった栄養素をバランスよく含み、土の粒子が団粒構造になることで、通気性や保水性にも優れた堆肥として良質な土づくりに貢献します。尚、オランダ・アムステルダムにおいては、サーキュラーエコノミー戦略(Amsterdam Circular 2020-2025 Strategy)において食と廃棄物が重点分野に位置づけられ、みみずを用いたコンポストが市内に複数設置されています。
TOKYO TORCH街区に設置されるコンポストは1日あたり最大で約2kgの食品廃棄物を処理することができ、環境にも、植物にも、まちにもやさしい「三方よし」の堆肥が作られます。この堆肥は、街区内の一部の植栽に活用し、エリア内の資源循環を実現します。2025年12月までの実証実験となりますが、今後はその成果を踏まえ、街区全体や丸の内を含む他エリアでの展開・活用の可能性について検討を進めてまいります。
▲設置済のコンポスト
■クラフトジン"Bloomy(ブルーミー)"について
街区オリジナルのクラフトジン"Bloomy(ブルーミー)"の香りの主要な原料であるキーボタニカルは、常盤橋タワーの就業者向けカフェ「MY SHOKUDO Café」でコーヒーを抽出した後に残る"コーヒー粉"と、常盤橋タワー内から出る食品廃棄物からできた液肥を使い徳島県上勝町で育てた柑橘類の果物"柚香(ゆこう)"です。香り立つ柚香の爽やかさに、コーヒーの深みがほんのりと寄り添い、やわらかな余韻が口の中に心地よく広がります。
"Bloomy(ブルーミー)"という名のとおり、花が開くような軽やかさと華やかさを感じていただける一杯で、完成は今秋を予定しております。販売は、2025年10月1日(水)よりエシカル・スピリッツ 公式オンラインショップにて行う予定です。またドリンクとして、「TOKYO TORCH」街区やその周辺の飲食店におけるお取り扱いを予定しています。【協業会社】
サントリーホールディングス株式会社
サントリーグループは、自然と水の恵みに生かされる企業として、「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、『人間の生命(いのち)の輝き』をめざす。」をパーパスに掲げ、創業以来、持続可能な社会の実現を目指してきました。かねてより持続可能な原料調達の実現に関しては、かねてより土壌の肥沃化や水質改善、GHG削減等が見込める再生農業に注目してきました。2025年よりミミズを利用した特殊肥料の開発への取り組みを開始しており、残渣の削減やGHGの削減、作物収量の増加などを見込んでいます。
エシカル・スピリッツ株式会社
「Starring the hidden gem(隠れた才能をステージへ)」を理念に、未活用素材の価値を引き出すクラフトジンを通じて、東京・蔵前から世界へ、新たなものづくり文化を発信する蒸留スタートアップ。
「消費者が一番美味しいと思うお酒から、新しい価値に出会える」社会を目指します。
<ウェブサイト>
URL:https://ethicalspirits.jp/
■廃棄物再利用率100%に向けた取り組み「サーキュラーシティ丸の内」
本取り組みは、三菱地所の資源循環に着目した廃棄物再利用率100%に向けた取り組み「サーキュラーシティ丸の内」第6弾となります。第1弾では食べきれなかった料理を持ち帰るための容器の無償配布、第2弾ではペットボトルの水平リサイクル、第3弾では廃食用油を持続可能な航空燃料のSAF等への再利用、第4弾では常盤橋タワーで液肥化した生ごみを活用した農作物の育成および同ビル内での提供に取り組んでおります。2024年12月に実施した第5弾では、廃棄物をホリデーシーズンのまちを彩るオーナメントに再生する取り組みを実施しました。
三菱地所グループでは長期経営計画2030で掲げる「三菱地所グループと社会の持続可能性4つの重要テーマ」のうち、地球環境に関わるテーマ「環境負荷低減に尽力し続ける~持続可能なまちと地球の実現~」において、CO2排出量や再生可能電力比率のほか、廃棄物においても再利用率と排出量に関する削減目標とKPI※を定めていますが、今後も、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
※2030年までに廃棄物再利用率90%と排出量20%削減(2019年度比/m²あたり)を目標に掲げるとともに、丸の内エリアでは、廃棄物再利用率100%を目指しています。
【参考】TOKYO TORCHの概要<ウェブサイト>
URL:https://tokyotorch.mec.co.jp/
以 上
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