三菱地所グループは、丸の内を「日本のビジネス街にする」という信念のもと、それまでは何もなかった原野の開発に着手し、そこから130年以上の歳月をかけ、戦争や地震などの災害、高度成長期やバブルの崩壊といった、様々な時代、出来事を乗り越えながら、丸の内を世界に誇るビジネス街へと進化させてきました。それはまさに、白地のキャンバスに絵を描くように新しいものを創り出していくという歴史でした。その過程で東京駅の開発や皇居が整備されるなど、丸の内は日本の経済や社会を牽引してきました。
そして現在、時代はこれまで以上に急速に変化しており、それに対応していくだけではなく、時代の先を読んだ新たな価値を創造していくことが求められています。私はこれからこの丸の内というエリアをビジネスの街というだけでなく、人と人とが交流して様々な気づきや刺激がある場所、また、東京と地方をつなぐための地方の魅力の発信拠点、観光・文化・芸術等の多様な活動の場、そして、日本の魅力を世界に向けて発信することで、「圧倒的に魅力な空間」を築き、更に成長させていきたいと思っています。
「グローバル」を意識した事業展開もますます重要と認識しています。分断の時代と言われますが,その中でもビジネス、学術研究、スポーツ、観光等、様々な目的で、国境を越えた人々の交流や移動に対するニーズは高まっていると感じられます。三菱地所グループは、海外事業やグローバルで展開する投資マネジメント事業を成長させていますが、これらをさらに伸ばすとともに、国内でのまちづくりや事業においても、ハード面、ソフト面ともグローバルな価値観や需要を意識した取り組みを行っていきます。
また、時代に合わせて、社会の変化に対応していくことも三菱地所グループの重要な使命です。ESGへの対応が強く求められる昨今の状況ですが、多様なステークホルダーの声を理解して、社会の要請に寄り添い、それを先取りしたまちづくりや事業展開を進めていくことがサステナビリティの推進、社会への貢献につながるものと考えています。
当社はこれまで、まちづくりを通じて働きやすい、生活のしやすい場所の提供を目指してきましたが、今後も変化し続ける社会に柔軟に対応し、来街者・生活者に寄り添った「共感できるまちづくり」を進めていきます。