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「ウッドデザイン賞 2025」 三菱地所グループ全体で5件受賞 三菱地所・MEC Industryの「WOOD FLOOR UNIT 3.2」が 優秀賞(林野庁長官賞)を受賞
三菱地所グループの三菱地所株式会社、三菱地所レジデンス株式会社、三菱地所ホーム株式会社、株式会社三菱地所設計、MEC Industry株式会社は、ウッドデザイン賞2025において、「WOOD FLOOR UNIT 3.2」「流通改革による日本の森林を守る取り組み(木の守プロジェクト)」「MOTOMACHI Wood Terrace」「キャプション by Hyatt 兜町 東京」「The Warp: Regenerative Wood Design Series」の5件にて受賞、そのうち、「WOOD FLOOR UNIT 3.2」が優秀賞(林野庁長官賞)を受賞しました。


「ウッドデザイン賞」は、木を使って様々な社会課題を解決するモノ・コトを表彰し、国内外に発信するための顕彰制度です。建築・空間、技術・建材、プロダクツ、コミュニケーション、調査・研究の5分野と生活者視点、消費者視点から見た木の良さ・価値を表す3つの部門から構成されています。
三菱地所グループでは、CLTをはじめとした国産木材の活用を推進しています。今後とも、国産木材の活用により、国内林業の活性化や山林防災、ひいては地方創生等につなげていきたいと考えています。
【過去の上位賞受賞事例】
2019年 「PARK WOOD 高森」/最優秀賞(農林水産大臣賞)
2020年 「CLT PARK HARUMI」/優秀賞(林野庁長官賞)
2021年 「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」/優秀賞(林野庁長官賞)
2022年 「MOKUWELL HOUSE」/最優秀賞(農林水産大臣賞)
2023年 「MIデッキ」/奨励賞(審査委員長賞)
■受賞の概要
【WOOD FLOOR UNIT 3.2】(技術・建材分野) ★優秀賞(林野庁長官賞)
株式会社乃村工藝社、三菱地所株式会社、MEC Industry株式会社
<概要>
建物の内部空間に国産木材を気軽に取り入れやすくするため、CLT(直交集成板)を使った木製フロアユニットを開発。床一面に美しい木目が広がる高い意匠性と、様々な企業とチームを組み、様々な工夫を凝らすことで簡単施工を実現し、新築・改修を問わず大規模オフィスビルなどへ導入を想定している。
さらに高い炭素固定効果で地球環境にも貢献する。
国産木材の活用を推進していく中で、日本国内では防耐火規制により構造利用したCLTを現しで利用することが難しいことや、木材の内装利用は特注対応となることが多くコスト高になってしまう課題があった。本製品の開発目的は、誰でも簡単に取り入れやすい製品にすることで国産木材の利用量を増やすこと。それを通じて森林による炭素固定、水源涵養機能、災害防止機能などの維持・向上に繋がり、国内森林の好循環を生み出すことで、社会課題の解決にも貢献すること。本製品はCLTパネルを空間の意匠として現すことができ、本物の木の香りや見た目、足触りの心地よさなど、木ならではの自然な空間を実現できる。また、パネル自体が仕上げ材として機能するように表面は金物が見えない特殊接合になっており、長年の利用で傷や汚れがついてしまった場合でも、表面研磨によって敷設時に近い状態を実現することも可能で、最も大事な「長く使う」というサステナブル視点も実現している。
(評価コメント)
施工が簡単で誰でも取り入れやすい木製フロアユニットであり、CLTを使い、かつ表面に金物が見えない構造を開発したことで、木の風合いが床一面に広がり美しい空間になる。経年利用で表面に傷がついても、研磨をすることで元の美しさに戻る、サステナブルな製品である点も良い。

【流通改革による日本の森林を守る取り組み(木の守プロジェクト)】(コミュニケーション分野)三菱地所レジデンス株式会社
<概要>
マンション事業での国産材活用が、日本の森林循環を促すものとなるよう、従来の流通経路を変革し「植林や育林など森の管理に必要な費用」を林業者に直接届ける取り組み。持続可能な森林資源をうみだす豊かな森の育成には「伐る・使う・植える・育てる」という循環が重要だ。しかし日本の林業は、長らく外国産材の使用が主流だったうえ、国産材の安定的な需要に恵まれず、森を適正に管理する充分な資金も確保できないという課題に直面してきた。現状から抜け出す一歩としてマンション事業者が林業者から木材を直接指定して購入する、これまでにない新しい形で連携。「植林や育林などに必要な費用」が林業者に直接届くことで、森林循環を促し、さらに、林業関係者が独自で販路を確保して自立することで、地域発展も望める取り組み。国産材活用が、確実に森林循環につながるものとして定着するまで、一時的な活動で終わらせるのではなく、林業関係者に根源的に向き合う必要があるとの想いで取り組んでいる。

参考: https://www.mecsumai.com/quality/design/072/
【MOTOMACHI Wood Terrace】(建築・空間分野)三菱地所ホーム株式会社、株式会社マザーハウス
<概要>
木の構造躯体を「見せる(魅せる)」ことをコンセプトとした木造商業ビル。環境への配慮を意識し、内観はCLT床板や梁を現しにした。また、カーテンウォールとすることで外からも木を感じることができる建物とした。
本物件は、比較的小規模な商業施設でありながら、都市の繁華街における防火地域内の木造化、及び狭小地での純木造建築を実現した先進的な事例。このプロジェクトは、RC造からの大幅なコスト削減や、燃えしろ設計とCLT活用による意匠性を実現した。都市部の狭小地での木造・木質化を進める上での具体的なモデルケースとなる。 特に、意匠性の高い木質空間がテナント誘致に繋がった実績は、木造商業ビルの新たな可能性を示唆しており、今後の都市空間における木材利用の普及に大きく貢献できる。
また、本物件ではクリーンウッド法に基づく木材を採用している。これにより、適切な森林管理が行われている生産地からの資源循環に配慮している。さらに、竣工後の本施設は、その木造建築の特異性から、都市における木材利用の可能性を示すモデルケースとして、施設利用者や地域住民に対して木材利用の意義や環境貢献について啓発する機会を提供することも想定している。

【キャプション by Hyatt 兜町 東京】(建築・空間分野)
平和不動産株式会社、株式会社三菱地所設計、株式会社大林組
<概要>
平和不動産が推進する日本橋兜町・茅場町のまちづくりの一環として整備された、歴史ある金融街に新しい文化を融合させる都市型ホテル。主構造は鉄骨造とし、客室フロアにあたる3階から12階の柱と梁の一部に国産木材を使用した木造ハイブリット構造である。柱・梁を木造化するにあたり、負担荷重や階数による必要耐火時間に応じて、現しの木間柱と木質耐火部材を適材適所で使い分けることによって柱の見付幅を統一し、外観に表出される美しい木フレームを実現した。
客室内部においても木柱・木梁を露出し、天井にはMEC Industryの型枠材兼仕上げ材「MIデッキ」を採用するなど、宿泊者が木の温かみを感じられる空間を創出。低層部には焼杉や壁面緑化などの自然素材を積極的に取り入れ、街に潤いと温かみをもたらすサステナブルな景観を形成している。木の材質的特性に向き合い設計した、都市へ木の魅力を発信する木造中高層建築の先進的事例である。

【The Warp: Regenerative Wood Design Series】(技術・建材分野)株式会社三菱地所設計
<概要>
ドバイデザインウィーク2024に出展した、日本の伝統木工技術である継手と最先端の3Dプリント技術を融合させた、木質3Dプリント造の茶室パビリオン。木材加工の過程で発生する廃木粉をアップサイクルした木質樹脂を用いて高精度に成形された、約900枚の軽量曲面パネルで構成されている。それぞれの部材は釘や接着剤を使わず継手のみで接合できるため、手作業で短時間の組み立て・解体・再利用を実現。また、部材は軽量で、一般的な小包として輸送可能であり、生産フロー全体での環境配慮を図っている。
廃木粉と植物性樹脂を複合した素材を用いたこの部材は、使用後も廃棄せず粉砕することで3Dプリントのフィラメントとして再度使用でき、建築資材の循環促進に寄与する。本技術は、建築・家具・アートなどへの展開も期待され、木の循環的価値と森林資源の有限性への理解を深める側面も併せ持つ、循環型ウッドデザインの可能性を広げるプロトタイプである。

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