丸の内仲通りでは2019年から「Marunouchi Street
Park」という期間限定の社会実験を開催し、24時間交通規制を行い、訪れる人に思い思いの時間を過ごしていただいています。今年は車道と歩道に芝生を敷き詰め、夏休み期間の41日間にわたってピクニックシートやテーブルを用意し、軽く飲食していただけるような環境を整えました。初年度は1ブロックだけの面積でしたが、現在では3ブロックまで拡大し、よりたくさんの方にお楽しみいただいています。最近はファミリーでお越しの方々が多く、「期間限定なのはもったいない」「今後も継続して開催するなら教えてほしい」といった声をお聞きしました。これからも継続して、仲通りの魅力・仲通りでの過ごし方を発信していきたいと考えています。
吉田
「Marunouchi Street
Park」は行政や地域の地権者様と段階的なコミュニケーションを積み重ね、その結果として実現した実証実験でもあります。今では定着している冬の「イルミネーション」、夏の「ドライミスト」などの取り組みも地権者の方々のご意見を求め、ご協力をいただいてきたという経緯があります。エリアの地権者や就業者等の関係者にとっては直接的なメリットを実感しずらい取組みも、徐々に活動が広がりを見せるにつれて、理解を得られるようになることがあります。これまで何十年におよぶ三菱地所の取り組みを引き継ぎながら、多くのステークホルダーとともに一歩ずつ形にしていく営みに、自分自身も関わっているんだなと感じているところです。こうしたイベントや施策を継続することは、長期的にはこのエリアにプライスレスの価値をもたらすと考えています。
再開発プロジェクトでは、既存ビルの解体工事と新築工事で4年から6年といった工期が必要になります。そうした工事着手までのビルの暫定利用期間中や店舗入替期間もまちが寂しくならないよう、例えば新有楽町ビルには「有楽町『SAAI』
wonder working
community」という新しいコミュニティの拠点を設けたり、アーティストの活動の場として活用するなど、期間限定ならではの活用方法を模索しながらプロジェクトを進めています。
三木
地権者の方々とのディスカッションを経て、「これまでにない機能のスペースを設けたい」などのお声があれば、東京都などの行政に働きかけ、必要に応じて規制を緩和するための協議を行うこともエリアマネジメント企画部の役割になります。全てのゴールは、より多くの人にこのエリアに関心を持っていただき、訪れていただくこと。その結果として、まちのブランド価値を向上させることです。一つひとつの取り組みを来街者の方々がどのように受け止めておられるのか、常に意識しながら業務に臨んでいます。