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三菱地所と丸の内多様な視点を取り込み、
大丸有エリアに新たな価値を。

三菱地所は大丸有エリアのまちづくりを通じて、長期的な視点でまちに新たな魅力をつくり出す取り組みを続けてきました。そして、さらなる発展を目指して、“「就業者28 万人×8 時間」から「多様な就業者100 万人×最適な時間、交流する」まちへ”というコンセプトを掲げ、大丸有エリアを今以上に魅力があり、活力のあるまちへと進化させる活動を続けています。就業者・来街者を対象にした多彩なイベントをはじめ、新規ビジネス、サステナビリティ、アートといった視点から、三菱地所が強みとする「時代を先取りするDNA」が垣間見える取り組みの一端をご紹介します。

谷村 真志

谷村 真志

コンテンツビジネス創造部 主事

柴橋 遼太

柴橋 遼太

xTECH運営部 副主事 株式会社FINOLAB出向

大林 悟郎

大林 悟郎

サステナビリティ推進部 副主事
大丸有SDGs実行委員会 事務局次長

中森 葉月

中森 葉月

プロジェクト開発部 有楽町まちづくり推進室 チーフ
大丸有エリアマネジメント協会 アートアーバニズム マネージャー

人々で賑わい、交流が生まれるまちへ。多彩なイベントを継続的に企画・開催

三菱地所は、時代の変化を見据えながら丸の内エリアの魅力を発信していくため、幅広いテーマでイベントを企画・開催する活動を続けています。これらのイベントは、賑わいの創出を目的とするものと、文化やビジネスなどエリアの価値向上に資するものに大別されます。いずれも就業者だけではなく、より多くの人に丸の内エリアの魅力を発信し、足を運んでいただくきっかけを提供することを目指しています。イベントの開催を通じて、エリア内の商業施設や文化施設への集客を促進し、さらには三菱地所グループの事業全体にプラスの影響を与えることも重要なミッションです。

これらのイベントを企画・運営し、丸の内エリア内のイベントスペースを管理しているのが、三菱地所のコンテンツビジネス創造部です。同部の主事である谷村真志は、丸の内エリアで開催するこれらのイベントの成果と狙いについて次のように話します。

谷村

文化領域のイベントには、例えば2007年から毎年開催している「藝大アーツイン丸の内」や「ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI」など、美術・芸術大学とコラボしたイベントがあります。ビジネス領域では、2022年にはソーシャル経済メディアNewsPicksの主催で「CHANGE to HOPE」というビジネスイベントを開催し、丸の内エリアの複数会場で実施した内外の有識者による講演には多くの参加者が集まりました。また、夏休み期間の28日間にわたって開催した「レゴ®フェスティバル ㏌ Marunouchi 」には、トータルで20万人以上のファミリー層が来場。イベントの中では、「みんなで作る街づくり」というワークショップも行い、日本人唯一の「レゴ®認定プロビルダー」三井淳平氏のレゴブロックで再現した「丸ビル」の周囲に、イベント参加者がつくったレゴブロックの建物等を配置する参加型のコンテンツは好評を博しました。

レゴ®フェスティバル in Marunouchi
レゴ®フェスティバル in Marunouchi

谷村

一つひとつのイベントは短期集中型のプロジェクトであり、集中的に検討するのは3カ月程度となることが多いです。その短い期間の中でコラボ企業と一つのイベントを作り上げる為、距離がぐっと近づき関係性がとても深まると感じています。その結果、それ以降の継続的なイベントや新しいビジネスに発展するようなケースも多く見られる為、今後もイベントを通じて多様な企業との連携を深めていきたいですね。
さらには、イベント来場者が商業施設の集客にどれだけ貢献しているのか、イベント開催がエリア全体の価値向上にどのようにつながっているかなど、テクノロジーの発展で収集できるデータの質・量も進化しているので、取り組みの成果をきめ細かく指標化し、本業のビジネスに活かす方策も検討しています。

イベントの効果について語る谷村

成長力の高い企業を集め、エリア発の新興ビジネスを育てる

優れた技術を強みとして社会課題の解決を目指すスタートアップ企業や、既存の大企業が豊富なビジネスリソースを活かして挑戦する新規事業は、日本経済の持続的な成長になくてはならない要素です。三菱地所は、大丸有エリアにさまざまなスタートアップが集まり、新たな共創が活発に生まれる取り組みを推進しています。
三菱地所のxTECH(クロステック)運営部では、スタートアップが集う拠点として丸の内エリアにEGG、大手町エリアにGlobal Business Hub Tokyo 、FINOLAB(フィノラボ)、Inspired. Lab、東京駅に隣接する常盤橋エリアにTOKIWA BRIDGEという5つの施設を開設中。そのほか、東京大学や東京医科歯科大学とそれぞれ共同でワークスペースやラボを運営し、新たな産業を生み出すようなイノベーション創出を目指す取り組みを推進しています。

FINOLABを例に取り組みの一部をご紹介します。2016年に開設されたFINOLABは、金融分野でイノベーションを生みだす技術・フィンテック(FinTech)のエコシステム形成及び新規ビジネス創出を目的とした日本初のFinTech拠点です。
xTECH運営部からFINOLABの運営会社に出向中の副主事である柴橋遼太は、自身が目指している役割を「メンバー間のハブとなり、何でも気軽に相談いただける存在」と語ります。

柴橋

FINOLABは単なるシェアオフィスではなく、メンバー企業間の共創・協業を触発するようなオープンイノベーションによる新規ビジネス創造を目的としたコミュニティです。FinTechを軸に事業創出の課題を解決し、また社会課題を解決する事業を創出できるビジネスエコシステムの構築を目指しています。
私の役割は、基本的にFINOLAB内に常駐しメンバー間の共創のきっかけをつくる等、スタートアップの成長を側面からサポートすることです。FINOLABメンバー同士の紹介からFINOLABコミュニティの枠を超えたビジネスマッチングに関するご相談、新規ビジネス創出に役立つFINOLAB主催の各種セミナーのご案内まで、幅広く対応しています。
「資金調達が実現した」「提携先が見つかった」「新サービスの利用者がこんなに増えた」など、新事業がダイナミックに成長していくプロセスに寄り添えることは、個人的なやりがいとともに社会的な意義の大きさを感じています。三菱地所としても、スタートアップの成長ステージや新規事業の特性に応じた支援メニューを拡充しながら、適切かつタイムリーに支援策を提供していく考えです。

FINOLABについて語る柴橋

生活やビジネスをサステナブルな視点で考え、多くの人を巻き込んだコミュニティをつくる

立場の異なるあらゆる個人や企業が、経済・環境・社会といった全ての面で、持続可能な共生関係を築けるような場と仕組みを提供できる企業。それが三菱地所グループの目指しているサステナビリティです。このビジョンに沿って、サステナビリティ推進部では、基本的なルールづくりや社内外への周知・浸透に向けたさまざまな活動を推進しています。
その一環として、三菱地所がこれまで大丸有エリアで積み重ねてきた公民連携の取り組みをベースに、このまちの日常の中で個人に持続可能な社会に貢献する機会を提供するため、「大丸有SDGs ACT5」という活動をスタートしました。

サステナビリティ推進部の副主事であり、大丸有SDGs実行委員会の事務局次長を務める大林悟郎は、「大丸有SDGs ACT5」を通して、就業者や来街者にまちの中でできるSDGsアクションの価値に気づいてもらい、サステナブルな活動の輪を広げていく役割を担っています。

大丸有 SDGs ACT5
Act1 サステナブルフード, Act2 環境, Act3 WELL-BEING, Act4 ダイバーシティ&インクルージョン, Act5 コミュニケーション

大林

ACT5とは、持続可能な社会を実現するための5つの取り組み、「サステナブルフード」「環境」「WELL-BEING」「ダイバーシティ&インクルージョン」「コミュニケーション」を意味します。2020年5月より、エリア内の店舗を含めた多くの協力パートナーのみなさまとともに、それぞれのテーマで大丸有エリアでの体験イベントや環境保全活動、映画祭などを開催しました。
それらの活動と並行して、マイバッグやマイボトルなどの持参やSDGs関連イベントに出席するとポイントが貯まる「ACT5メンバーポイントアプリ」を運用。このまちで働く人やまちを訪れる人の日常行動をSDGsアクションにつなげていく取り組みを実施しました。アプリに貯まったポイントは、環境や社会問題の解決に貢献できるエシカルな商品との交換や、難民支援活動を行なうUNHCRなどの団体への寄付に利用できるような仕組みも設けています。

大丸有SDGs映画祭の様子
大丸有SDGs映画祭の様子
ACT5 メンバーポイントアプリ
ACT5 メンバーポイントアプリ

大林

ACT1からACT5の活動を継続してきたことで、各イベントや環境保護活動に繰り返し参加いただける方々が少しずつ増えてきています。アプリの会員数も拡大していますが、実際に使ってみると、日常生活の中で意識的に努力を重ねる必要があり、なかなか大変です。それでも毎日のようにポイントを獲得し、ポイントの上限である「達人ランク」に達している人も多く、サステナビリティに対する世の中の意識が着実に変わってきていることを感じます。
サステナビリティ推進部として、引き続きイベントの開催とアプリメンバーの拡大に向けた取り組みを続け、SDGs感度の高い人たちが大丸有エリアに集い、気づきや学びを与え合うような情報交換が促進されるコミュニティ形成を目指し、さまざまな施策を検討していきます。

SDGsの活動について語る大林

まちを拠点に活動するアーティストが、働く人、訪れる人と触発し合う大丸有エリアへ

三菱地所が目指す大丸有エリアの未来像は、人・企業が集まり交わることで新たな「価値」を生み出す舞台となるまちです。成長企業が集積するビジネスセンターであると同時に、個性豊かなアートが息づき、働く人や訪れる人の感性が刺激され、新しい発想が得られるまち。このような考え方のもと、作品制作スペースの提供をはじめ、アーティストの制作活動がまちの空気に彩りを添え、人々の創造的な仕事にプラスの影響をもたらすという仮説に基づいた実証実験を展開しています。
有楽町では、まちに開かれたアート創作の場である「ソノ アイダ#新有楽町」や、現代アーティストのメンバーギャラリー「CADAN 有楽町」など、再開発プロジェクトに伴う期間限定のスペース活用を展開しています。また、アーティストがビジネス街で活動することのメリットや、ビジネスパーソンがアーティストの創作活動に触れることの影響をさまざまな共同作業から検証する大規模な実証プロジェクト「有楽町アートアーバニズム YAU(ヤウ)」を展開中です。

ソノ アイダ#新有楽町
ソノ アイダ#新有楽町(写真提供=株式会社アトム)

プロジェクト開発部の中森葉月は、有楽町再構築において既存ビルを活用しアーティストと協働する在り方を模索しながら、アートとビジネスの相乗効果を模索する「YAU」にもリガーレのアートアーバニズムを推進する立場として携わっています。まちづくりとアートの制作活動という、これまでほとんど接点のなかった2つの要素をつなぐ自身の役割について、中森はこう話します。

中森

多くのアーティストが集い、創作活動が根づくまちを目指し、大丸有エリアにはどのような志向のアーティストがマッチするのか、彼らが活動しやすい環境をどのように整えるべきなのか、それらを検討しながら施設のあり方や連携の仕組みの改善を重ねています。全てが手探りですが、アーティストのグループと大丸有エリアの企業との間に、新しい関係が生まれ始めています。アーティスト側からは「これまで全く知らなかったビジネスの世界と交流し、創作活動にヒントを得られた」、ビジネス側は「以前よりまちに愛着が持てるようになった」「アーティストとの会話を通して自分の仕事を見つめ直し、従来とは違った考え方にたどり着いた」といった声も聞かれました。単なるスペース貸しだけではなく、アーティストやアートを消費するような関係でもなく、対等でお互いに得るもののある新たな関係を築いていける感触が生まれています。

アートとビジネスの相乗効果について語る中森

今日も大丸有エリアのどこかで、イベント、ビジネス、サステナビリティ、アートなど、多様な視点を取り込み、次の時代に必要なまちの価値を創造する取り組みが進行中です。ここで働くビジネスパーソンや、国籍も価値観も違う人が、さまざまな場所で新たな交流、新しい発想、価値あるイノベーションを生み出していく。そんな人の営みを育むまちづくりを、三菱地所は一つひとつ積み重ねていきたいと思っています。