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   ~施工会社、型枠工務店、木材卸会社、木材輸入商社、事業者他 計30社が参加~ 「型枠用合板のトレーサビリティ普及促進勉強会」発足

型枠トレーサビリティ確保の認証スキーム普及促進を図る

三菱地所レジデンス株式会社(以下、三菱地所レジデンス)が事務局となり、2024年4月、施工会社、型枠工務店、型枠加工会社、木材卸会社、木材輸入商社等30社による「型枠用合板のトレーサビリティ普及促進勉強会」(以下、本勉強会)が発足しました。

■本勉強会発足の趣意と背景

マンションの建築で利用する木材のうち、型枠材は約45%を占めています。型枠工事に用いられる合板は、精度・強度などに優れる点から、多くがマレーシアを中心とした南洋材を原料としています。この南洋材に由来する合板は、東京オリンピック工事での国内外のNGOなどからの指摘により、すべての製品が合法かつ、人権・生物多様性に配慮されているとの認識が揺らいでいます。

三菱地所レジデンスは、新築分譲マンションにおいて、持続可能性に配慮した木材の調達基準1にある型枠用コンクリートパネル2を採用し、トレーサビリティ(trace(追跡)+ability(能力)=その木材がどこでどうやって作られたのかを追跡できる)の確保を図っています。建築工事までのサプライチェーンにおける未認証経路に関し、一般財団法人日本ガス機器検査協会の第三者認証及び国際的な非営利団体であるFSC3認証が構築したスキームを活用することで、プロジェクト個別の認証を取得してトレーサビリティを確保しています。現在、型枠材についてトレーサビリティを確保しているプロジェクトは30物件以上に及び、2030年度にはすべての物件で実現することを目標としています。

森林の違法伐採といった境破壊は長きにわたり国際的な問題となっており、企業活動は自然資本に支えられている以上、自然資本への負の影響を抑制する動きが必要とされています。三菱地所レジデンスの事業で多用する型枠用合板は熱帯林由来で製造されており、持続可能な森林経営を行う認証林から伐採され、適正な流通経路を経た認証合板を用い、非認証の材料と混同しない建築工事を行うことを証明するトレーサビリティの確保は、この負の影響を軽減できるものと考えております。

本勉強会は、「型枠用合板のトレーサビリティ確保の認証スキーム」を広く普及促進するため、型枠工事に携わる各社が一堂に会し発足したものです。業界の垣根を越えて型枠用合板のトレーサビリティスキームの普及と拡大を目的に意見交換を行い、参加各社が研鑽を積んでまいります。

勉強会.PNG

トレーサビリティ確保にあたっては、認証取得数の増加とともに工事における手間や事務手続きも増加して煩雑になってきています。その解決策として、本勉強会の意見交換にて、作業の効率化を図るとともに、個別の認証取得からスキームそのものを認証する "システム認証"の取得へと変更させ、作業の効率化と取得しやすさを図り、業界でのより一層の普及促進を目指します。それがひいては、木材原産地の人権・生物多様性保全への貢献につながるものと考えています。

■本勉強会発足の目的

型枠用合板のトレーサビリティ確保の認証スキームを普及させることを目的に、以下の検討を行います。

  • トレーサビリティ確保を行うために必須となる"作業手順書(手順書)"の共通化
  • プロジェクト個別認証から、スキームでの認証となる"システム認証"の取得
  • 型枠工事を行う上での作業合理性に関する相互認識の深化と改変及び事例研究
  • 認証システム、南洋材を取り巻く現状についての情報収集

■構成各社(参加表明順)

施工会社:木内建設株式会社、大豊建設株式会社、川口土木建築工業株式会社、東亜建設工業株式会社

型枠工務店:株式会社舘工務店、株式会社𠮷田工務店、株式会社白戸工務店、株式会社大島組、有限会社井定工務店、有限会社嘉孝建設、城元躯体工業株式会社、株式会社似鳥工務店、米澤興業株式会社、株式会社双龍工務店、株式会社佐藤型枠工業、宝盛建設株式会社、株式会社小山工務店、株式会社手塚工務店、株式会社榊󠄀組、野妻建設株式会社、株式会社新井工務店、株式会社松田組、小林建設工業株式会社、株式会社鈴木工務店、株式会社弘南

型枠加工会社:有限会社桃園

木材卸会社:株式会社東京木工所

事業者(事務局):三菱地所レジデンス株式会社

顧問(アドバイザー):一般財団法人日本ガス機器検査協会

他、木材輸入商社1社を含む計30

【注釈】

1 持続可能性に配慮した木材の調達基準:

持続可能性に関わる各分野の国際的な合意や行動規範等を参考に、持続可能性に配慮した調達を行うための基準や運用方法につい

て定めたものです。

2 型枠用コンクリートパネル:

建物を建築する際使用するコンクリート型枠用のパネル。合板と桟木でパネルを組み、そこに生コンクリートを流し込んでコンクリートを成形します。

3 FSCForest Stewardship Council®

森林管理協議会。責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とする。確立した非営利団体であり、国際的な森林認証制度を

運営しています。(FSC HPより抜粋)

【参考】「型枠用合板のトレーサビリティ認証スキーム」について                             

 2020年に初めて、国内流通における認証スキームを創出し、トレーサビリティを実現しました。

トレーサビリティ図.PNG

三菱地所レジデンス サステナビリティHP https://www.mec-r.com/sustainability/

以 上

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