その他
   ~大手町・丸の内・有楽町におけるエリア防災の取り組み~ 診療所等と連携した「災害ダッシュボード」新機能実証実験

負傷者発生地点での情報提供から、診療所での救護・災害拠点病院への移送まで、一気通貫の訓練形式で実証

三菱地所株式会社は、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)における防災の取り組みとして、20241月に「災害ダッシュボード」1を活用した情報連携に関する協定を千代田区と締結し、機能拡充および実装を進めております。20258月~20262月(予定)の7ヶ月間にわたり、診療所等の情報発信に係る新機能を試行するとともに、災害による負傷者を災害拠点病院に移送するまでの訓練形式の実証実験(Beta25)を実施しました。

三菱地所株式会社は、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)における防災の取り組みとして、20241月に「災害ダッシュボード」1を活用した情報連携に関する協定を千代田区と締結し、機能拡充および実装を進めております。20258月~20262月(予定)の7ヶ月間にわたり、診療所等の情報発信に係る新機能を試行するとともに、災害による負傷者を災害拠点病院に移送するまでの訓練形式の実証実験(Beta25)を実施しました。
1P_①.png

2025年8月より実施した実証実験Beta25では、"災害拠点病院等がない空白地帯"という社会課題の解決を目的に、丸の内エリア周辺の診療所や調剤薬局の協力のもと、災害ダッシュボード新機能を活用し、負傷者の発生から重篤者が災害拠点病院に移送されるまでの関係者連携を、一気通貫の訓練形式で行いました。

災害発生時を想定した場面では、エリア周辺の診療所・調剤薬局が災害ダッシュボード上で開設情報を発信し、被災者役は鉄道駅に掲示した二次元バーコードから情報を取得。付近の診療所等の開設状況をタイムリーに知らせることで被災者は円滑に救護を受けることができるほか、診療所等への移動が促されることで一時滞在施設の負担軽減にもつなげます。次いで、診療所等でトリアージ・応急救護を受けた中等症以上の負傷者役を、エリア外の災害拠点病院へ移送。実証実験では災害時緊急輸送バス連携協定に基づいた緊急輸送バスを活用しました。

なお、防災に関わるステークホルダーは多岐にわたり、災害発生から病院搬送までの実証実験・訓練に揃って参加するには公共交通機関・病院・診療所等の負荷が大きいため、各実証実験をパートごとに繋ぎ、映像化により全体をつなげ一気通貫で理解、記録化できるよう工夫しました。この映像は関係者に共有し、エリア防災の知見底上げを図っています。

1P_②.png

また、今回の実証実験では大手町と隣接する内神田エリアの区民避難所とも連携した訓練を実施しております。2026年には同エリアに「大手町ゲートビルディング」が竣工を予定しており、三菱地所は、丸の内エリア内外に拡がる連携を通じ都市の防災機能強化に貢献してまいります。

■ 実証実験の背景および概要

昼間人口が密集し被災者が集中的に発生し得る都市中心部に位置する災害拠点病院は限られ、災害発生時における負傷者の円滑な搬送が社会課題となっています。丸の内には複数の診療所等がエリア内に立地するものの、災害拠点病院等から概ね23km離れており、"空白地帯"(千代田区災害医療連携会議・令和元年より)として災害時の負傷者搬送に課題がありました。2P_①.png

三菱地所は2022年、千代田区、日の丸自動車興業株式会社、東日本旅客鉄道株式会社と「災害時緊急輸送バス連携協定」(正式名:大手町・丸の内・有楽町地区都市再生安全確保計画に基づく災害時のバス車両による緊急輸送協力に係る協定書)を締結。このほど、千代田区無線機網の整備や緊急輸送バス網整備を千代田区、日の丸自動車興業と進め、負傷者搬送のための環境が整ったことから、以下3つの実証実験を行いました。

Ⅰ.災害時における診療所・調剤薬局の開院・開局情報の発信訓練・実証

 丸の内エリア周辺の鉄道駅では、災害発生時、災害ダッシュボードにアクセスする二次元バーコードを掲出する運用が既に確立されています(先行機能として22路線・15駅の改札口に実装済)。今回の実証実験では、模擬負傷者を設定のうえ、3鉄道・4駅にて、診療所・調剤薬局の開設情報を発信する新機能を搭載したWEBページへのコードを掲出し、負傷者に情報提供する訓練を行いました。掲出文およびWEBページは英文も用意し、外国人負傷者への情報提供も訓練しております。

2P_②.png

Ⅱ.診療所等における負傷者受入訓練・実証

 丸の内エリアの診療所における負傷者受入を想定し、3つの診療所にてトリアージ・応急救護の訓練・実証を行いました。また、診療所から処方箋を受けた負傷者が、近隣の調剤薬局(アイン薬局 大手町店、クオール薬局 丸の内店、アイン薬局 八重洲口店)で薬を受け取る訓練実証も行い、調剤薬局への移動においても災害ダッシュボード新機能を活用しました。

2P_③.png

Ⅲ.負傷者を診療所から災害拠点病院へ移送・搬送する訓練・実証

  • 診療所→災害拠点病院への搬送

    容態の安定した重症者役をエリア内診療所の聖路加メディローカスから災害拠点病院へ搬送する、行政・病院と連携した訓練・実証を行いました。搬送においては緊急輸送バスと千代田区無線機を活用し、聖路加メディローカスより医師・看護師が帯同する形で重症者役1名の搬送を行い、中央区の聖路加国際病院(本院)救急科の処置室まで届ける訓練・実証を行いました。また、バスの位置情報について2種類のGPSで補足し、その精度等の検証を行いました。

3P_①.png

  • 地域協力会→緊急医療救護所
    診療所が開院していない時間帯の発災に備え、緊急輸送バスが稼働している想定のもと、帰宅困難者対策を担う地域協力会である東京駅周辺防災隣組が、千代田区災害対策本部と連携して、丸の内エリア外の緊急医療救護所を訓練上設定し、東京駅前・行幸通り上の負傷者役を、搬送する訓練・実証を行いました

3P_②.png

■災害ダッシュボードの新機能

新機能を具備するデジタルマップ版

災害ダッシュボードのデジタルマップ版は、現在、丸の内エリアの帰宅困難者一時受入施設(約30施設)を表示する仕組みであり、以下の新機能の実装に向けて検討を進めております。3P_③.png

  • 診療所・調剤薬局の情報発信機能
    丸の内エリアの診療所・調剤薬局の開設情報や満員情報を発信できる機能。
  • 都キタコンDXとのオンライン接続
    災害ダッシュボードと「東京都帰宅困難者対策オペレーションシステム」(通称:キタコンDX)のシステム接続改修を進めており、双方の準備が整い次第、千代田区とその周辺5区を加えた帰宅困難者一時受入施設の情報を展開する計画です。これにより、東京駅東側の中央区や、有楽町より南の港区等の情報の取得・発信も可能となり、帰宅困難者の混乱回避に更に効果が上がるものと期待しております。


内神田エリアとの連携と区民避難所における情報提供

・神田駅周辺には帰宅困難者受入施設が少ないという課題がありますが、中央区との区境にほど近い神田駅西側の内神田には、帰宅困難者受入施設の都税事務所および区民避難所の千代田区立スポーツセンターがあります。

・発災・避難所開設時に、区民避難所の標識とともに災害ダッシュボードの二次元バーコードを掲出する運用を追加する実証実験を行いました。今後、運用・効果を公民で検討し、帰宅困難者に周辺の帰宅困難者一時受入施設の情報提供を進める予定です。

・本区民避難所は、避難所医療救護所が備わっていないことから、負傷者対応や慢性疾患の薬が必要な場合を想定し、災害ダッシュボード デジタルマップ版で、診療所・調剤薬局の開設・開局情報を確認する訓練・実証も行いました。

4P_①.png

4P_②.png

■今後について

「災害ダッシュボード」は、丸の内エリアにおける帰宅困難者に向けた情報HUBとして、帰宅困難者受入施設の情報提供を先行機能としてスタートとし、今般、"災害拠点病院がない空白地帯"という社会課題に対し、負傷者対応にあたる診療所・調剤薬局と連携したDX実証を行いました。

今後は、実証内容を精査し、千代田区と連携して早期に社会実装を図るとともに、更に周辺エリアに拡大して情報提供や連携の検討を進め、負傷者移送の社会課題についても更に掘り下げてまいります。また、今回の訓練を通じて完成した災害時負傷者対応に係る一気通貫の映像資料を災害対策実務者と共有し災害に備えることで、新たな連携訓練モデルとして、災害対策実務者の防災力向上につなげてまいります。

三菱地所では、現在丸の内エリアの14棟を対象にした千代田区との帰宅困難者等一時受入施設協定、聖路加メディローカスとの医療連携協定、日の丸自動車興業との緊急輸送バス連携協定など、公民の関係者協定を進めており、「まちまるごとエリア防災チーム」といえる連携体制を整備してまいりました。丸の内エリアは、内神田エリアに加えて中央区とも隣接、港区とも近接しており、帰宅困難者は区境に関係なく移動することから、周辺との連携を更に強化するとともに、「災害時自立圏」という考え方も念頭に、引き続き、災害ダッシュボードの更なる新機能追加による情報HUB機能の強化および実証を千代田区と連携して推進してまいります。

また、三菱地所グループは、毎年91日前後に「ひと×まち防災訓練」を継続実施するとともに、丸の内のエリア全体での安全性を確保するためBCDBusiness Continuity District 事業継続基盤強化地区)という考え方を導入し、まちまるごとでの面的な防災対策に取り組んでいます。来街者を守るべく、テナントの事業活動を止めないハードの整備に加え、災害ダッシュボードの高度化をはじめとする災害情報の収集・発信や負傷者対応などのソフト面でも公民連携し、安全安心なまちづくりに取り組んでまいります。

■災害ダッシュボードBeta25実証実験の体制と期間

・主 催 者:三菱地所㈱

・参 加 者:千代田区、聖路加国際病院、聖路加国際病院附属クリニック聖路加メディローカス、東京クリニック、鉄鋼ビル丸の内クリニック、㈱アインファーマシーズ、クオール㈱、東日本旅客鉄道㈱、東海旅客鉄道㈱、東京地下鉄㈱、東京都交通局、日の丸自動車興業㈱、東京駅周辺防災隣組、内神田鎌倉町会、丸の内消防署、他

・期 間  :20258月~20262月(予定)

■注釈             

1 災害ダッシュボード(災害対策拠点):

災害ダッシュボードは、災害時の情報共有や避難者・帰宅困難者向けの情報の収集・発信を行う情報連携プラットフォーム。災害時の情報HUBとして「災害ダッシュボードBeta」(ソフトウェア)を開発し、仮想クラウドサーバー上で稼働するシステムで、2024年2月に社会実装し、千代田区が運用する帰宅困難者対策に係るシステムの1つとなっています。
5P_①.png千代田区と帰宅困難者等一時受入施設を提供するビル事業者や鉄道事業者と連携して、丸の内エリアに面的な情報提供をする仕掛けの先行機能を整備開始。「大手町・丸の内・有楽町地区都市再生安全確保計画に基づく災害ダッシュボードの活用に係る協定書」を締結のうえ、丸の内エリアに策定された都市再生安全確保計画2における情報HUB機能3を実装化したものです。本連携協定により、千代田区は発災時に災害ダッシュボードを運用して丸の内エリアのデジタルサイネージや駅施設でのリアルタイムな情報提供を行い、三菱地所は災害ダッシュボードの企画・開発、および管理・保守を担います。

※2 都市再生安全確保計画:
2015年3月、大手町・丸の内・有楽町地区都市再生安全確保計画作成部会において、「大手町・丸の内・有楽町地区都市再生安全確保計画」が承認されたことで同計画が作成され、その後20253月にも改定された。
千代田区ホームページ:https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/toshi/kekaku/guidelines/daimaruyuchiku.html

3 情報HUB機能:
発災時には、"広域情報(TVニュースなど)"や"ローカル情報"を帰宅困難者や災害対策機関に適切に情報提供することが重要と考えており、これらの情報収集・編集・編成・配信などを担う災害時放送センター機能を「情報HUB機能」として位置付け、「次世代防災拠点4」と交通、医療、施設等の機関が連携して活動する。5P_②.png
先行実装では、丸の内ビジョン・ハイビジョン放送システム(三菱地所)と災害ダッシュボードBeta(㈱アイ・ピー・エル製ソフトウェア)を連携させている。また実証実験では、クラウド型のライブ映像情報共有システム「クラストリーム」(アイ・ピー・エル社製)、GPSシステム「アップル社製AirTag」、オープンストリートマップ、屋内電子地図などのシステム等も活用している。

※4 次世代防災拠点(災害対策拠点):
「都市再生安全確保計画(前述※2)」において定義している丸の内エリアの災害対策を更に充実させることを企図した災害対策拠点。同拠点に含まれる「情報HUB機能(前述※3)」は、帰宅困難者等一時受入施設や避難者情報の一元管理、負傷者搬送支援などの災害時の公民・民民情報共有プラットフォームの構築を想定している。また、平常時には災害対策機関の交流を促進するコミュニティ機能を有するほか、エリア防災訓練なども想定している。



5 地域協力会・東京駅周辺防災隣組: 
正式名は、東京駅・有楽町駅周辺地区帰宅困難者対策地域協力会。千代田区地域防災計画・震災対策編に「地域協力会」として位置付けられている帰宅困難者対策を目的とする任意団体である。千代田区の要請を受けた大手・丸の内町会など地元町会が設立し、平成16年1月よりエリア防災活動をスタート。直近約5年は、ストレッチャーなども導入して丸の内エリアにおける負傷者搬送訓練を実施し、三菱地所および他社の参加者も含め公民連携した訓練を行っている。また平時には、研究会・交流会などの活動も行っている。
千代田区地域防災計画:https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kurashi/bosai/bosai-taisaku/jorei-keikaku/chiiki-keikaku.html
東京駅周辺防災隣組:https://sites.google.com/view/tonarigumi/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

参考:過去の関連リリース

以 上

clipmailtwitterfacebook

画像ダウンロード

一括ダウンロード