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   みやこ下地島空港ターミナル北側用地で太陽光発電 全面着工

国内空港ターミナル初の『ZEB』認証取得へ 運転開始は2025年4月予定

 三菱地所株式会社は、「みやこ下地島空港ターミナル」北側用地において、太陽光発電事業を開始いたします。太陽光パネルの設置及び蓄電池を導入、発電した電力を同空港ターミナルビルにおいて全量自家消費します。このほど、太陽光パネル設置工事に全面着工いたしました。運転開始は2025年4月頃の予定です。

 なお、同空港ターミナルビルでは従前より自然エネルギーを積極的に活用し、「ZEB Ready」の認証を取得しております。本取り組みにより、従前からのエネルギー消費量を削減する取り組みに加えて、使用するエネルギーの創出を行うことで、エネルギー消費量を実質ゼロにすることを可能にし、国内空港ターミナル初の最上位認証である『ZEB』認証の取得を目指します。

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▲みやこ下地島空港ターミナル


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▲創エネでZEB ReadyからZEBへ



■離島の空港における太陽光発電事業の取り組みの背景とポイント
 塩害対策を施した太陽光パネルの採用及び蓄電池を導入し、全量自家消費することで、以下の離島特有の課題を解消し、本事業を実現します。

・近隣に余剰の再生可能エネルギーが少なく、外部からの購入が難しい
・発電規模の観点で、PPA事業者の参入ハードルが高い ※「Power Purchase Agreement(電力販売契約)の略
・大規模な発電電力を逆潮流(発電設備から電線へ電気を流す)すると、島内の電線への負担が大きい
・海風による塩害対応が必要

■太陽光発電事業 概要
設置場所:下地島空港ターミナル 北側用地
設置面積:約6185㎡
設置容量:822kW
年間想定発電量:93万kWh/年(全量自家消費)
年間CO2削減量:646t-CO2/年
太陽光パネル:京セラ株式会社製
運用開始時期:2025年 4月(予定)

 なお、本事業は沖縄県が取り組む「下地島空港及び周辺用地の利活用」の一環で、同利活用事業(第3期)として当社が「旅客ターミナルのネット・ゼロカーボン化事業」を提案、2023年9月20日に沖縄県と下地島空港及び周辺用地の活用に係る基本合意書を締結しております。また、2023年11月22日に国土交通省の空港脱炭素化に向けた取り組みを支援する「空港脱炭素化推進事業費補助金」における「太陽光発電等の再エネ導入に係る事業」として選定されており、同補助金を活用するものです。

 三菱地所グループでは、「三菱地所グループのSustainable Development Goals 2030」を策定し、「Environment」「Diversity & Inclusion」「Innovation」「Resilience」の4つの重要テーマにおいてKPIとアクションプランを定め、様々な取り組みを通じて、持続可能な真に価値ある社会の実現を目指しております。また、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)では飲食店舗等にて使用された食用油を、持続可能な航空燃料であるSAF(Sustainable Aviation Fuel)等へ再利用する事業にも参画。今後も、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。

みやこ下地島空港ターミナル(ビル)について
 三菱地所株式会社が開発し、下地島エアポートマネジメント株式会社が運営。リゾートZEB空港という建築コンセプトで設計をしており、沖縄の気候風土と共鳴する新しいオープンエアターミナルの在り方を実現しました。その他、国が基準とするビルと比較して、68%一次エネルギー消費量を減らす計画であり、経済産業省 資源エネルギー庁のZEBロードマップにおいて「ZEB Ready」の認証・BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)では最高ランクを取得しています。
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▲BELS評価マーク


【みやこ下地島空港ターミナルでの4つのエコへの取り組み】
①屋根の構造材にCLT(直交集成板)を採用
 板の方向が層ごとに直交するように重ねて接着した大判のパネル「CLT」を、空港ターミナルとして全国で初めて、屋根の構造材に採用することで、断熱性能を高めている。沖縄県が定める地域材(沖縄県内で流通する県産又は九州産材等)を使用して、地域の森林・林業再生へ貢献しています。

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▲CLTの屋根


②深庇の導入
 深めの庇により日射を遮ることで、建物の熱負荷を軽減させています。

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▲深庇

③大開口によって積極的な自然換気の実施
 大きな窓を取り入れ、風通しの良い設計にすることで、自然換気によって体感温度を下げる工夫をしています。これにより、利用者の快適性を確保しています。

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▲大開口

④気化熱空調システムの採用
顕熱処理した外気の約半分を蒸発冷却される層に空気を戻す仕組みを取り入れています。熱源を使わずに、水の気化冷却のみで湿球温度以下にまで外気を冷却できるので、大きな省エネ効果があります。


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▲気化熱空調システム

以 上

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