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ガバナンス(G)

リスクマネジメント

リスクマネジメントに対する考え方・方針

三菱地所グループでは、「三菱地所グループリスクマネジメント規程」を制定し、全ての事業活動を対象にリスクマネジメント体制を整備・運用しています。また、リスクアプローチによる以下の2つの活動を柱に、リスクマネジメント活動を推進しています。

リスクマネジメント活動

各機能・事業グループ・グループ各社における個別リスクマネジメント活動の推進

各機能・事業グループ・グループ各社にてリスク分析のうえ、重点的なリスク(個別重点リスク)を選定、対応する活動を毎年実施しています。また、ラインスタッフ部署はそれぞれの機能・事業グループが所管するグループ各社のリスクマネジメントの推進状況を把握し、連携・支援をしています。

三菱地所グループとして特に注力すべき
重点対策リスクの抽出とモニタリング

グループ全体のリスクを的確に把握し、重点的に対策を講じる必要があるリスクを抽出・マッピングすることで注力すべきリスクとそのプライオリティを可視化しています。また、年間を通じて特に重要なリスク(重点対策リスク)を中心にモニタリングするとともに、必要に応じて支援を実施します。

リスクマップのイメージ

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リスクマネジメント推進体制

三菱地所グループのリスクマネジメントを統括する機関として「リスク・コンプライアンス委員会」を、またリスクマネジメントに関する情報の集約など、実務的な合議体として「リスク・コンプライアンス協議会」をそれぞれ位置付けるほか、取締役会の決議により任命された三菱地所(株)のリスクマネジメント担当役員を統括責任者として、ラインスタッフ部署、コーポレートスタッフ部署、DX推進部並びにグループ各社に責任者を置き、それを推進事務局である法務・コンプライアンス部が支援する形でリスクマネジメント活動を推進しています。リスクマネジメントプロセスについては、リスク・コンプライアンス委員会において必要に応じて見直しを行い、その結果を取締役会に報告しています。また、緊急事態発生時の行動指針や連絡・初動体制、事業継続計画等についても整備、運用しています。

リスクマネジメント・コンプライアンス体制
(2021年4月現在)

投資案件に関わるリスクマネジメント

三菱地所グループが認識しているさまざまなリスクのうち、投資案件に関わるリスクについては、全社的リサーチ機能、投資判定ルールを所管する「投資戦略室」において、事業性の検証を通じて把握しています。また、重要な投資案件の意思決定にあたっては、三菱地所(株)執行役社長を議長とし、グループ全体の戦略立案や戦略実現に向けた各事業の進捗のモニタリングを担う「経営会議」での審議に先立ち、「投資委員会」で議論・検証を行い、収益性、リスクの内容や対応等をチェックしています。また、各フェーズにおいて、法務・財務面からもリスク評価を行い、リスクの全体像を把握しています。

投資委員会

「投資委員会」での審議においては、複数の指標を用いて案件の経済性を検証するほか、賃料や販売単価、工事費などの前提条件の根拠についても適正性の検証を行っています。特にリスクについては、投資判定ルールにアップサイドシナリオとダウンサイドシナリオのシミュレーションを組み入れ、案件を担当する事業グループが想定するシナリオとダウンサイドシナリオの差をリスク量として認識し、その許容範囲を議論しています。

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リスクマネジメント活動

リスク・コンプライアンス講演会を開催

三菱地所(株)では、グループ会社を含めた経営層、幹部社員を対象として「リスク・コンプライアンス講演会」を開催しています。テーマは、リスク・コンプライアンスのジャンルからその年の社会情勢に応じて講演テーマを選定しています。

主要なリスクへの取り組み

リスクマネジメント活動および各種の事業活動を通じて、三菱地所グループが認識しているリスクおよびその対策の事例として以下が挙げられます。

新型コロナウイルス感染症
拡大によるリスク
2020年度実績においては、新型コロナウイルス感染症拡大により三菱地所グループのホテル・商業施設・空港運営事業等の事業を中心に影響が見られ、2021年度においても当該事業を中心に、三菱地所グループの事業推進、業績に影響が及ぶおそれがあります。
自然災害、人災などによる
リスク
地震や洪水その他の自然災害、気候変動および事故、火災、その他疫病などの人災などが発生した場合、三菱地所グループの業績や財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。三菱地所グループでは、推進する再開発を通じて、高度な防災機能を整備するとともに、エリアマネジメントを通じた災害対策を講じています。
不動産市況変動のリスク 不動産市況は景気の変動との連動性が高く、景気の悪化は不動産の価格や賃料の下落、空室率の増加に大きく影響します。三菱地所グループの保有型のオフィスビル事業では、顧客と比較的長期のリース契約を締結することを基本としています。安定的な賃料収入が見込めることから、景気の急激な変動に対するリスクを軽減できます。
為替レート変動のリスク 三菱地所グループは、日本国内のほか米国・欧州・アジアにおいてアセットを開発・所有しており、現地通貨建てで資産や収益が計上されています。従って、為替レートが変動した場合、外貨建ての資産および負債、並びに外貨建て取引の円貨換算額が変動します。三菱地所グループでは、外貨建て資産の取得に際して、当該外貨による負債調達を行うことなどにより、為替変動のリスクの極小化に努めています。
金利上昇のリスク 三菱地所グループは、金融機関からの借入や社債の発行によって得た資金を、オフィスビル・住宅・商業施設・物流施設などの開発に充当しています。日本銀行は、金融市場の信用収縮や世界的な景気後退への対応策として、量的・質的金融緩和を実施していますが、当該政策の変更や、国債増発に伴う需給バランスの悪化による金利の上昇などにより、三菱地所グループの業績や財政状態に影響が及ぶおそれがあります。
三菱地所グループは、変動金利による資金調達の一部に対し、支払利息を固定化する金利スワップにて金利変動リスクをヘッジしています。今後も固定金利および変動金利による借入、社債の各残高のバランスに鑑みて資金調達を行っていく方針です。
情報セキュリティリスク 適切な情報管理や個人情報保護に関する社会的要請の高まりを受けて、三菱地所グループでは情報管理関連規定を定め情報管理体制を徹底するとともに、「個人情報保護法」等の法改正にも適切に対応していきます。
また、三菱地所グループ全体のITセキュリティレベル向上のため、三菱地所DX推進部が中心となり、グループのITシステム共通化・セキュリティ強化を進めているほか、DX推進部内のITセキュリティ人員や外部セキュリティ会社との連携を強化してグループ全体に対するサポートを実施しています。

三菱地所グループの事業におけるエマージングリスク

リスク名 リスクと事業背景の説明 事業へのインパクト リスク低減アクション
情報セキュリティリスク オフィスビルや商業施設のテナントや分譲マンションの購入者の個人情報等に関する情報システム・データへの不正アクセス、情報漏洩など 三菱地所グループでは、オフィスビルや商業施設のテナントや分譲マンションの購入者に関する個人情報、新築工事の建設会社などへの発注情報などを始めとする膨大な顧客・取引先データを保有しています。情報漏洩や不正アクセスの脅威は、企業の信用低下につながり、ひいては事業利益などに影響を及ぼす可能性も想定されます。

適切な情報管理や個人情報保護に関する社会的要請の高まりを受けて、三菱地所グループでは2018年に情報管理関連規程(情報管理・情報システム・個人情報に関する規定)を全面的に改正し、情報管理体制を更新して管理を徹底しています。さらに、継続的なモニタリングや監査により、情報管理の徹底を図っています。
また、三菱地所グループ全体のITセキュリティレベル向上のため、ITセキュリティやDXを推進する専任部署(三菱地所DX推進部)が中心となり、以下のような対策を行っています。

  • 第三者によるセキュリティアセスメント実施
  • BCP対応の構築及び年1回以上の訓練の実施などによりグループのITシステム共通化・セキュリティ強化
  • DX推進部内のITセキュリティ人員補強、及び外部セキュリティ会社との連携を強化し、グループ全体に対するサポート体制を強化
  • 従業員のITセキュリティに対する意識向上を目的として、三菱地所グループ全従業員を対象としたITセキュリティ訓練を毎年実施
自然災害などによる事業継続リスク 気候変動の影響により、異常気象やゲリラ豪雨による洪水・台風・ハリケーンなどを含む自然災害が近年激化しており、当社が運営するオフィスや商業施設等の事業継続に影響を及ぼす可能性があると考えており、新興リスクの一つと捉えている 温暖化に起因すると思われるゲリラ豪雨等の異常気象は、当社が運営するオフィスや商業施設等に対して、損壊等の被害をもたらす可能性があります。これにより、施設運営を停止せざるを得ない状況に陥った場合は、街・施設の利用者数減少やテナントへの賃貸が困難となり、事業の継続が困難になるおそれがあります。また、事業の継続が困難な場合は、賃貸利益等にも影響を及ぼす可能性も想定されます。

三菱地所グループでは、開発する街や、運営するビルにおいて高度な防災機能を整備するとともに、エリアマネジメントを通じた災害対策を講じています。

例えば、建設するオフィスビルにおいて水害等の発生時のリスクを極小化するため、防潮板・水密扉の設置等の止水対策や、備蓄倉庫や重要拠点(受変電設備・防災センター)の地上階への設置など万全の水害対策を実施。また、災害時にインフラ供給が止まった場合も電力、水、換気が全て自立して機能するシステムを備えるなど、高度防災都市づくりへの工夫を施しています。

「三菱地所グループ事業継続計画ガイドライン」「三菱地所事業継続計画文書」および「三菱地所グループ事業継続計画文書作成の手引き」を策定し、事業継続計画と「災害対策要綱」との連動性を高めることにより、非常時におけるお客さまおよび三菱地所グループ社員の安全性の確保と、三菱地所グループの事業の継続を両立させるべく備えています。

三菱地所(株)では様々な防災訓練の取り組みを行っています。

  • 毎年、全役職員とグループ会社、関係者が参加する総合防災訓練を行い、災害の際、被害を最小化し、迅速な対応ができるよう訓練しています。
  • 大手町・丸の内・有楽町エリア(以下、大丸有エリア)の防災への取り組みとして、2021年2月に「災害ダッシュボード4.0」の実証実験を、千代田区、鉄道各社、バス事業者、ビル事業者等と連携して実施。帰宅困難者受入施設においてQRコードを活用した非対面での受付、受入施設周辺の混雑状況の可視化を実現しました。
  • 本社従業員を対象として災害体制自動発令後の行動計画に基づいた初動訓練を行い、日本で初めて第5世代移動通信システム(5G)を活用。ソフトバンク(株)の協力のもと、5G通信を局地的に利用できる可搬型5G設備「おでかけ5G」を設置し、AI映像解析ソフトウエアを使用することで、避難所の状況をリアルタイムでモニタリングするシステムを検証。「避難所内の避難者数、救護者数」「避難所の混雑状況」「顔認証による救護者の識別結果」「要救助者の検知結果」などの情報をリアルタイムに可視化しました。

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BCPへの取り組みと見直し

三菱地所グループでは、災害や事故が発生した場合に重要な業務を中断させないために、また、万が一中断した場合にも迅速な再開を可能とするために、「事業継続計画」(BCP:Business Continuity Plan)の立案に取り組み、2006年10月に「三菱地所グループ事業継続計画ガイドライン」を策定しました。
2012年12月には、東日本大震災を受けて「三菱地所事業継続計画文書」および「三菱地所グループ事業継続計画文書作成の手引き」を策定し、事業継続計画と「災害対策要綱」との連動性を高めることにより、非常時におけるお客さまおよび三菱地所グループ社員の安全性の確保と、三菱地所グループの事業の継続を両立させるべく備えています。
また、事業継続計画は社会や事業環境の変化も踏まえ、PDCAサイクルにより継続的に内容の高度化および実効性の向上を図っており、今後も社会的責任を果たすため、さらなる改善を進めていきます。

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