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環境(E)

気候変動(CO2削減・エネルギーマネジメント)への対応

方針・考え方

気候変動に起因する集中豪雨等の異常気象がもたらす多くの人的・物的被害は年々深刻化しています。
特に不動産業界は、全産業に占める温暖化効果ガスの排出割合が大きいと指摘されています。多くの物件を国内外に有する三菱地所グループの責任は非常に大きいものと認識しており、当社グループの基本使命「私たちはまちづくりを通じて社会に貢献します」を達成するためにも、気候変動への取り組みは必要不可欠であると考えています。

このような中、気候変動が事業に与える影響を把握し適切な対応を行うべく、2020年2月にTCFD提言への賛同表明を行い、TCFDの情報開示フレームワーク(気候変動のリスク・機会に関するガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿った分析および情報開示※1を実施しました。分析結果を踏まえて、気候変動関連の移行リスク(規制リスク、技術リスク、市場リスク、評判・レピュテーションリスクを含む)および物理的リスク(急性リスク、慢性リスク)に対して適切な管理・対応を行うべく、気候変動に関するガバナンスや事業戦略のさらなる強化を目指していきます。

また、脱炭素に向けた取り組みを進める上では、社外の多くのステークホルダーとの協働も重要との考えから、三菱地所(株)は、気候危機への回避に向け活動をするJCLP(Japan Climate Leaders’ Partnership)※2に加盟。脱炭素に向けた他企業との協働や政府への政策提言等を行っていきます。
当社グループは、これらの方針・考えに則して、事業活動を通じた取り組みの深化を図り、気候変動に着実に対応していきます。

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目標と達成状況

SCIENCE BASED TARGETS - DRIVING AMBITIOUS CORPORATE CLIMATE ACTION
RE100

三菱地所グループは、上記方針・考えに基づき、グループ全体の温室効果ガスの中長期排出削減目標(CO2排出量(Scope1+2+3)を2017年度比で2030年までに35%削減、2050年までに87%削減)を策定し、2019年4月にSBTイニシアティブより科学的知見と整合する目標として認定を受けました。

また、事業で使用する電力の100%再生可能エネルギー化を掲げ、事業で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力とすることを目指す国際的な協働イニシアティブであるRE100へ、2020年1月に加盟しました。本加盟に伴い、再エネ電力比率を2030年までに25%、2050年までに100%とすることを目標に掲げています。

上記目標の達成に向けて、中核事業であるオフィスビルの運営では、高効率機器の採用などを推進しています。加えて、エネルギーの使用状況に外気温やビルの稼働状況といった要因が影響することを踏まえ、テナントと一体となって省エネルギー・CO2排出削減への取り組みを進めています。また、建物で使用する電力を再エネ由来に切り替えることで、CO2(Scope2)削減、再エネ電力比率の向上を図っています。

2021年度には、当社が多数ビルを保有・運営している丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)を中心に19棟で、2022年度には丸の内エリアで当社が保有・運営している全ての物件において、再エネ電力を導入する予定です。2021年度切り替えにより、Scope2は概ね30%削減(2017年度比)、再エネ割合は概ね30%まで向上する見込みです。
その他、物流施設やアウトレットにおいても、太陽光発電設備を導入し、再エネ利用・CO2削減を進めています。

CO2排出量・再エネ電力比率に関するデータは以下をご覧ください。

ESGデータ>環境関連データ

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エネルギーマネジメントの取り組み

「SUPER TUBE」による地域冷暖房・コジェネレーションシステムの活用

丸の内熱供給(株)は、1976年に熱供給を開始して以来、地域冷暖房ネットワークを整備し、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)全体のエネルギーマネジメントを担ってきました。プラントで製造した冷水や蒸気を、地下トンネルを通じて供給しており、丸の内エリアの大半のビルはそれを利用して冷暖房を行っています。

2020年12月末には、丸の内熱供給(株)と三菱地所(株)が丸の内仲通りで進めていた南北全長約250mに及ぶ洞道「SUPER TUBE」が竣工し、翌1月よりエネルギー供給を開始しました。地下30mの深さにあるSUPER TUBEは耐震性に優れ、その内側に敷設した熱供給配管は、丸の内エリアのエネルギーの安定供給を支える動脈網となります。丸の内二重橋ビルプラントの高効率機器により製造した熱を、SUPER TUBEを通じて供給することでCO2排出量を削減し、有楽町地区のエネルギー効率向上につなげています。

SUPER TUBEの竣工により、丸の内一丁目地区・丸の内二丁目地区・有楽町地区を結ぶ3区間の蒸気ネットワークが完成し、非常時におけるプラント間相互のバックアップ機能も強化されました。さらに、コジェネレーションシステムから発生する排熱を、蒸気ネットワーク網を通じてエリア内の複数のビルに供給することで、未利用熱の有効活用を進めています。

「エネルギーまちづくりアクション2050」を策定

三菱地所(株)と丸の内熱供給(株)は、2021年3月、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)を主要な対象とした「エネルギーまちづくりアクション2050」を策定しました。環境価値と社会経済活動をそれぞれ最大化させる次世代のまちづくりに向け、経営資源を最大限に活かして共生型の面的エネルギー施策に取り組みます。

エネルギーまちづくりアクション2050のコアアクションとなるのが、丸の内エリアの業務継続力(レジリエンス)を支えるエネルギー強靭化と気候変動対策や脱炭素化に貢献する「都市型マイクログリッド」の実現です。これは、地域冷暖房ネットワークを最大限活用した熱電供給の効率性向上やビルのエネルギー消費の効率化・スマート化に加え、今後積極的に外部から導入していく再生可能エネルギーとエリア内の自営電源を一体的に運用する考え方です。都市型マイクログリッドの実現により、平時には気候変動対策や脱炭素化に貢献しながら、地震などの非常時にも丸の内エリアの事業継続を支えるエネルギー強靭化を目指し、都心業務地区としての社会経済活動の最大化を図ります。

都市型マイクログリッドを具現化するための「3つのマネジメント戦略」として、「①供給マネジメント戦略:熱電一体供給体制を通した総合効率の向上、電気・熱の脱炭素化」「②需給マネジメント戦略:新築・既存ビルにエネルギー消費効率、スマート化によるマネジメント効率向上」「③つなぐ・事業マネジメント戦略:再エネ事業への参画と地方創生への貢献、各種エネルギー事業者との実証連携等」を掲げ、これらの3方向から施策を実施していきます。また、施策を推進する組織として、三菱地所(株)内に「スマートエネルギーデザイン部」を2021年4月1日付で設置し、検討を進めてまいります。

戦略の骨子

①供給マネジメント戦略
電気の脱炭素化(再生可能エネルギーの積極導入) 電気の脱炭素化を推進すべく、再エネを積極導入していきます。
熱の脱炭素化 と
エネルギー最適ポートフォリオ構築
熱・電気を組み合わせたポートフォリオを最適化するとともに、ポートフォリオ全体に寄与する熱の脱炭素化を推進します。
熱電一体・自営電源による業務継続力、
面的供給コントロールによる効率性向上
熱と電気を一体的に各ビルに供給できる体制を構築するとともに、自営可能な電源の保有・運営による非常時の自立体制の実現と、面的な供給コントロールによる平時の効率性向上を目指します。
デマンドレスポンス※1、蓄熱・蓄電、VPP※2等による
エリア内供給マネジメントや負荷平準化コントロール
デマンドレスポンス、蓄電、蓄熱、VPP等を活用し、当エリア内での熱・電気の供給を建物間融通や時間帯平準化含めてマネジメントする体制の構築を目指します。

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  • デマンドレスポンス:需要家側のエネルギー利用量を制御することで、電力需要パターンを変化させること
  • VPP:Virtual Power Plant。需要家側のエネルギー利用抑制等が発電事業者との一体的な制御により発電所と同等の機能を提供すること
②需給マネジメント戦略
長期建物ストックを意識したアプローチ 当エリアにおける長期的な建て替えスケジュールを視野に入れ、将来の建物ポートフォリオからマネジメントします。
新規開発ビルのゼロエミッションビル化 今後新規開発するビルについて、省エネ性能の最大化とゼロエミッション化に資する施策の検討を推進します。
既存ビルのエネルギー消費効率向上 既存ビルの修繕ライフサイクルを見据え、効果的なタイミングで省エネ化・スマート化に資する投資を実行します。
独自開発の次世代クラウドBEMS
「BENI」を通したマネジメントの高度化
ビル運営に携わる多様な関係者の業務効率化と省エネ活動の見える化・全体俯瞰に資する次世代クラウドBEMSを独自開発しています。
デマンドレスポンス、蓄電、蓄熱等による需要負荷マネジメント デマンドレスポンス、蓄電、蓄熱等を活用してエネルギー需要側の負荷をマネジメントし、より効率的なエネルギー使用を促進します。

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③つなぐ・事業マネジメント戦略
再生可能エネルギー事業への参画と地方創生貢献 日本全国で再エネ事業へ参画するとともに、当該地域の産業振興や雇用創出に寄与する地方創生や地域まちづくりにも貢献します。
各エネルギー事業者との共創構築 発電、送配電、電力小売り、ガス供給、アグリゲーター等、エネルギー関連各分野の事業者と、需要家としての取引を超えた共創関係を構築します。
丸の内エリアでの実証協力とR&DSPACE推進 新技術の実装検証等に当エリアのアセットを実証フィールドとして提供し、新技術確立に貢献します。

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都市型マイクログリッド概念図

バイオマス発電事業への参入

三菱地所(株)、静岡ガス&パワー(株)、プロスペックAZ株(株)は、2021年5月に、3社共同で合弁会社「東松山バイオマス発電合同会社」を設立し、三菱地所にとって初となるバイオマス発電事業に参入しました。埼玉県東松山市に発電所(発電容量1,990kW)を開発し、2022年度より運転を開始する予定です。本事業では、都市の廃棄物である街路樹や公園の樹木などから発生した剪定材を燃料として再利用する地域循環型の再生可能エネルギー発電事業であり、年間約1,500万kWh(一般家庭で約4,800軒分の電力に相当)を発電、および年間約6900トンのCO2削減を見込んでいます。

国内外で脱炭素社会の実現に向けた要請や再生可能エネルギーへの関心が急速に高まっている状況を踏まえて、今後も、バイオマス発電事業を全国各地で年間2~3案件程度手掛けていく予定です。本取り組みを通じて、再生可能エネルギーの普及に貢献することで、持続可能な社会の実現を目指していきます。

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再生可能エネルギーの利用推進

ビルにおける再エネ電力の利用推進

三菱地所グループが掲げる温室効果ガスの中長期削減目標(SBT)および再生可能電力比率目標(RE100)の達成を目指すにあたっては、保有・運営を行うビルで使用する電力を再生可能エネルギー由来(以下、再エネ電力)に切り替えていくことが重要との認識から、順次再エネ電力への切り替えを進めています。

三菱地所(株)は2021年度より、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)の18棟、横浜ランドマークタワーおよび大名古屋ビルヂングにおいて、テナント使用分を含む全電力を再エネ電力とします。2022年度には、丸の内エリアで当社が保有・運営する全ての物件において再エネ電力を導入し、その他エリアにおいても積極的に導入を進めていく予定です。

再エネ導入ビル一覧は以下をご覧ください。

再生可能エネルギー導入ビル一覧

物流施設における再エネ電力の利用推進

ロジクロス海老名 2020年11月竣工

三菱地所(株)が開発する物流施設「ロジクロスシリーズ」では、検討可能な物件については、屋根上スペースに太陽光発電パネルを設置し、再エネ電力の発電を行っています。2020年11月に竣工した「ロジクロス海老名」においては、PPAモデルを活用した取り組みも行っています。

  • Power Purchase Agreement:第三者所有モデルの自家消費太陽光発電設備

プレミアム・アウトレットにおける再エネ電力の利用推進

酒々井プレミアム・アウトレット
自家消費用カーポート型太陽光発電設備

プレミアム・アウトレットを運営する三菱地所・サイモン(株)では、2016年2月より、あみプレミアム・アウトレットで発電容量1メガワットを有する自家消費用カーポート型太陽光発電設備を導入後、2017年12月より酒々井プレミアム・アウトレットにおいても同設備を導入し、省エネを意識した施設づくりに努めています。

また、2016年4月より、グリーン電力証書を購入することで、再生可能エネルギーの普及・拡大に貢献する取り組みも進めています。

新水素エネルギーの実用化に向けたベンチャー企業への出資

高効率なクリーンエネルギーで、環境と人にやさしいまちづくりに貢献

三菱地所(株)は、省エネ性能の高い建物の開発・運営や地域冷暖房事業などを通じて、都市の低炭素化を進めてきました。今後、三菱地所グループ全体のCO2排出量削減目標を達成し、さらなる低炭素社会を実現するためには、これまでの省エネ化に加えて、CO2を排出しないクリーンエネルギーの利用を拡大していくことが必要であると考えています。

そこで、2019年1月、エネルギー分野の革新的イノベーションに取り組むベンチャー企業(株)クリーンプラネットに出資しました。クリーンプラネットが開発する「新水素エネルギー」は、従来の水素エネルギーよりも水素単位当たりのエネルギー出力が膨大です。この新水素エネルギーを実用化し、電力コストを現在の10分の1とすることを目標に、共同で取り組んでいきます。このクリーンな「新水素エネルギー」をグローバルに普及させることで、パリ協定で提言された持続可能な「脱炭素社会」の基盤づくりに貢献していきます。

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テナントの皆さまとの取り組み

地球温暖化対策協議会の開催

三菱地所(株)は、2008年よりテナントの皆さまと協働して、ビルごとの「地球温暖化対策協議会」を毎年開催。「東京都環境確保条例」および「省エネルギー法」におけるCO2排出削減、省エネの進捗状況、その結果などを説明しています。今後もこの活動を継続し、ビルで実施している省エネ活動や具体的な削減目標の説明、テナントの皆さまの省エネの取り組み方法の紹介などを行っていきます。これらの取り組みを通じて、テナントの皆さまとともに省エネ活動を推進していきます。

「サステナビリティガイド」の発行

三菱地所(株)はジャパンリアルエステイトアセットマネジメント(株)と共同で、2019年度より「サステナビリティガイド」を発行し、三菱地所プロパティマネジメント(株)の協力のもと、オフィステナントの皆さまに配布を行っています。

三菱地所グループが掲げる「サステナブルなまちづくり」と「SDGsへの貢献」を実現するには、「まちづくり」に関わる全てのステークホルダーの皆さまと連携し、協力関係を構築する必要があります。同ガイドは、主にオフィステナントの皆さまとの協働を促進するためのコミュニケーションツールとして活用し、サステナブルな社会を共創します。

  • 主なテーマ
    • サステナビリティガイドvol.1(2019年発行):新しいオフィス空間と働き方の改革
    • サステナビリティガイドvol.2(2021年発行):ニューノーマル時代のオフィスの在り方・廃棄物のリサイクル

サステナビリティガイドvol.1(2019年発行)(PDF 1.4MB)PDF

サステナビリティガイドvol.2(2021年発行)(PDF 1.76MB)PDF

オーナーとテナント双方にうれしい「グリーンリース制度」

ジャパンリアルエステイト投資法人の運用を手掛けるジャパンリアルエステイトアセットマネジメント(株)(以下、JRE-AM)では、建物の環境性能を重視するテナントや投資家から評価していただけるポートフォリオを構築するため、環境負荷軽減に向けた保有ビルの設備改修を積極的に推進しています。

一般的に、環境設備改修は投資に見合う経済的メリットが見込みにくく、導入に二の足を踏むビルオーナーが少なくありません。こうした中、JRE-AMは、環境設備採用によって入居テナントが享受するエネルギー使用料削減分の一部を、グリーンリース料として一定期間ビルオーナーに還元する「グリーンリース制度」を導入。同制度を活用して、保有ビルのテナント専用室内照明LED化工事を順次実施しています。テナント側にも、照明に関する電気使用料の大幅削減というメリットがあるため、テナントとビルオーナー双方がWin-Winとなる仕組みとなっています。

今後もグリーンリース制度を拡大していくことで、JRE-AMはCO2削減に貢献する「環境不動産化」という新しい価値を社会に提供していきます。

グリーンリース条項の新設

三菱地所(株)は、テナントの皆さまと協働して、省エネを推進すべく、契約書雛型にグリーンリース条項を新設しています。

グリーンリース条項に基づく契約の割合等は以下をご覧ください。

ESGデータ>E:環境関連データ>(2)その他数値データ

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省エネルギー化の推進

カーボンニュートラル都市ガスの利用推進

CARBON NEUTRAL LNG - since 2019

2020年3月から、「丸ビル」と「大手町パークビル」で、日本初となるカーボンニュートラル都市ガスの使用を開始しました。これは、東京ガス(株)がシェルグループから購入したカーボンニュートラルLNG(以下、CNL)を活用し、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生するCO2を、シェルグループが保有するCO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)するものです。
丸ビルでは、2019年3月より導入しているハイブリッドシステム、大手町パークビルでは、地域冷暖房プラント内のガスエンジンコージェネレーションシステムに、それぞれカーボンニュートラル都市ガスを使用。CO2排出量の削減を実現しました。

また、2021年3月には、CNLの普及拡大と利用価値向上の実現を目的として、CNLを調達・供給する東京ガスと購入する法人14社が、「カーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンス」を設立しました。本アライアンス参画各社は、2050 年の「カーボンニュートラル社会の実現」に貢献することを目指し、CNLの認知を世の中に広めるとともに、投資機関による評価向上や国内各種制度における位置づけの確立に向けて取り組みを推進します。

物流施設「ロジクロス海老名」におけるNearly ZEBの取得

2020年11月に竣工した物流施設「ロジクロス海老名」において、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS※1」の5スター(最高評価)を取得し、さらに再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量物年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた建築物として「Nearly ZEB※2」に認定されました。三菱地所(株)が開発する物件において、「Nearly ZEB」を取得するのは本物件が初となります。

設計面での工夫による一次エネルギー消費量の低減に加えて、再エネ事業者のシン・エナジー(株)と提携した取り組みとして、施設の屋根上にPPA モデル自家消費太陽光発電設備を設置し、この設備によって発電した電力を本物件内で使用するスキームを活用したことが「Nearly ZEB」の取得に寄与したものと考えております。

なお、今後当社が開発する「ロジクロスシリーズ」においては、原則BELSを取得していく方針です。

  • 国土交通省が定めた、建築物省エネルギー性能表示制度のこと。新築・既存の建築物において、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度。
  • Nearly ZEB(ZEB=Net Zero Energy Buildingの略称。年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物)は、ZEBに限りなく近い建築物であり、① 基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減(再生可能エネルギーを除く)② 基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の削減(再生可能エネルギーを含む)のいずれの基準も満たすもの
BELS ZEB - この建物のエネルギー消費量82%削減 2021年2月10日交付 国土交通省告示に基づく第三者認証

ロジクロス海老名 外観写真

沖縄・みやこ下地島空港 旅客ターミナルで
「ネット・ゼロ・エネルギービル(ZEB)」への取り組みを推進

2019年3月開業のみやこ下地島空港ターミナルは、空港ターミナルとして、全国初となる「ネット・ゼロ・エネルギービル」の取り組みを実施しました。国が基準とするビルと比較して、一次エネルギー消費を約68%削減する計画のもと設計を行い、経済産業省 資源エネルギー庁の「ZEBロードマップ」ZEB Readyランク、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)で最高ランクの認定を受けています。そのほか、全国で初めて、屋根の構造材にCLTを積極的に採用しています。

CLT活用事例

マンションの環境性能向上を実現するさまざまな取り組み

三菱地所レジデンス(株)は、住まいの品質を創造する5つのアイズの一つに「ECO EYE'S」を位置づけ、さまざまなアプローチで環境に配慮した経済的な暮らしの実現に取り組んでいます。

1. 「soleco(ソレッコ)」

soleco

soleco(ソレッコ)とは、分譲マンションにおいて高圧一括受電と太陽光発電システムを組み合わせることにより、マンションの各家庭と共用部の電気代を削減する地球環境への配慮と経済性を両立した環境システムです。

2. 断熱効果を高める工夫

外断熱・内断熱の施工、結露対策、複層ガラスの採用など、断熱効果を高めるさまざまな工夫を取り入れています。「平成25年住宅省エネ基準」の完全施行に伴い、2015年4月1日以降に建築確認申請を行う住宅については、「断熱等性能」および「一次エネルギー消費量」の両項目において等級4の取得に努めています。

なお、2016年度には、ザ・パークハウス 二子玉川碧の杜、ザ・パークハウス オイコス 三国ヶ丘の2物件において「都市の低炭素化の促進に関する法律」で定める低炭素建築物の認定を取得しました。

3. 高効率機器による省エネ効果の追求

三菱地所レジデンス(株)の販売するマンションにおいて、節湯型シャワーヘッド、節湯型水栓、保温浴槽、節水型便器等、高効率の機器を採用し、環境と経済にも配慮した快適な暮らしづくりに貢献しています。

分譲マンションにおける「低炭素建築物」認定の取得

ザ・パークハウス 二子玉川碧の杜/外観写真

ザ・パークハウス オイコス 三国ヶ丘/外観完成予想CG

三菱地所レジデンス(株)のマンションブランド「ザ・パークハウス」では、「低炭素建築物」認定を取得した物件として、2017年度に東京都世田谷区の「ザ・パークハウス 二子玉川碧の杜」および、2018年度に大阪府堺市の「ザ・パークハウス オイコス 三国ヶ丘」を供給いたしました。二子玉川碧の杜では、住戸内のすみずみまで換気冷暖房し快適な温度を保つ全館空調システム「マンションエアロテック」の全戸標準装備、オイコス 三国ヶ丘では家庭用燃料電池「エネファームtype S」の導入など複数の環境先進技術を取り入れることにより、低炭素社会の実現等に向けて取り組んでいます。

  • 二酸化炭素排出を抑制する工夫を凝らした建築物に対して、「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づいて所管の行政庁が認定を行う制度

省エネ+創エネでサステナブルな住まいを実現
ザ・パークハウス初の「ZEH-M Ready」採用

三菱地所グループが取り組む「気候変動や環境課題に積極的に取り組む持続可能なまちづくり」の一環として、三菱地所レジデンス(株)が近鉄不動産(株)とともに、2020年11月下旬に販売を開始した「ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ」は、三菱地所レジデンスの分譲マンションシリーズ「ザ・パークハウス」で初の「ZEH-M(ゼッチマンション)Ready」の基準に適合したマンションです。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称)とは、年間の一次エネルギー消費量※1の収支がゼロとすることを目指した住宅で、年間の一次エネルギー消費量を削減する段階的な基準が設定されています。本物件は、建物の「省エネ」性能を上げ、太陽光発電などにより自らエネルギーを創り出す「創エネ」と組み合わせ、一次エネルギー消費量の削減率50%を実現するものとして、第三者評価を取得しています。

今回、ZEH-M Readyの基準を満たしたのは、三菱地所レジデンス、近鉄不動産、三菱電機(株)、関西電力グループ(Next Power(株))の連携により開発した、新エネルギーマネジメントシステムを搭載したことによります。(1)ZEH基準を満たす断熱性能、(2)太陽光発電電力を住戸内で有効活用させるためのヒートポンプ式給湯器の群制御システム、(3)マンション全体で共有する太陽光発電供給網により効率よく各住戸に太陽光発電を分配する電力供給体制により、各住戸の年間光熱費を約38%削減※2、各住戸において年間約10万円の節約につながります。

「省エネ+創エネ」を実現する環境配慮型マンションの新たなスタイルにより、環境や暮らしにやさしいサステナブルな住まいを提供していきます。

  • 一次エネルギーとは、石油、天然ガス、太陽光など自然由来のエネルギーのこと。一次エネルギー消費量は、暖冷房、換気、照明、給湯、その他5項目を算定する。
  • Next Power(株)調べ。
BELS ZEH-M - この住棟のエネルギー消費量50%削減 建築物省エネルギー性能表示制度 国土交通省告示に基づく第三者認証 2019年11月22日交付

全体完成予想CG

戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」
全戸にエネファームを標準採用

三菱地所レジデンス(株)は、戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」の、2017年11月設計開始物件から、東京ガス(株)および京葉ガス(株)の供給エリア内にある全戸に家庭用燃料電池「エネファーム」を標準採用※1しています。「エネファーム」は、省エネ・省CO2といった地球環境への配慮に加え、電力ピークカットへの貢献が可能な分散型エネルギーシステムです。

「エネファーム」は、都市ガスから取り出した水素を空気中の酸素と反応させて発電する仕組みです。発電した電気は家庭内で利用し、その際に出る熱も給湯に利用します。電気をつくる場所と使う場所が同じであるため送電ロスがなく、また発電時に出る熱を無駄なく活用できることから環境に大変やさしいシステムです。

なお「エネファーム(現行型)」は、停電時発電継続機能※2を内蔵しており、万が一の停電時に、専用コンセントから照明や通信機器を使うための電力を確保することができ、エネファームに接続されているお湯や暖房も使用することが可能です。また、断水時や災害時には貯湯タンクにたまった水を取り出して、雑用水として利用することができます。

今後も、地球環境にやさしい住まいを目指して、環境に配慮した住宅設備機器の採用を積極的に推進していきます。

  • 東京ガス(株)および京葉ガス(株)の導管エリア外は除く
  • 停電時にエネファームを発電するには、停電発生時にエネファームが発電しており、都市ガスと水道が供給状態であることが必要。

エネファーム全戸採用開始物件「ザ・パークハウス ステージ 東戸塚」外観

「エアロテック」と太陽光発電でZEHを実現

三菱地所ホーム(株)が提供する「エアロテック」は、1台のコンパクトな室内機で、家中の冷暖房と換気を行う全館空調システムです。業界トップクラスの冷暖房効率により、消費電力を抑えながら、浴室やトイレを含め、住宅全体の温度設定を部屋ごとに行うことができます。住宅内の温度差を少なくして、熱中症、ヒートショックの予防にも貢献しています。1995年の発売以来、新築戸建て注文住宅への採用率は9割以上、10,000棟を超える住宅に採用されました。発売から25年の実績を活かしながら、全館空調システムのパイオニアとして進化を続けています。

2019年10月からは「ずっともソーラーforエアロテック」の提供を開始しました。サービス提供会社と共同で、戸建注文住宅を新築するお客さまに対して、太陽光発電を無償で設置しています。エネルギーと住まいの情報を管理する「HEMS」とエアロテック、そして太陽光発電を連動することによって、個別ヒートポンプエアコンで冷暖房する住宅と比較すると、年間のCO2排出量を約900kg削減できます。さらに、太陽光発電システムが年間に創り出す電力(約2,500kWh相当)により、年間の冷暖房消費エネルギー(約2,100kWh相当)は実質ゼロとなります。これらの設備により、国が推進する「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」(「快適な室内環境」と「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下」)を実現する取り組みでもあります。

「エアロテック」と、「ずっともソーラー for エアロテック」で、お客さまに快適な住環境を提供しながら、住宅の省エネルギーを実現し、CO2削減にも貢献する取り組みを、今後も追求していきます。

  • 数値は約45坪のモデルプランでの三菱地所ホームによるシミュレーション値(2020年1月現在)
年間CO2排出量(換算値)比較図

設計監理事業が提案する歓共健築/ZEBに向けた取り組み

(株)三菱地所設計では、地球環境への配慮はもとより、快適性、健康増進、パーソナルデザインによる生産性の向上をも目指した付加価値の高い建築設計をご提案するため、「健康経営の促進に寄与し健康的な環境を実現する建築=歓共健築®」を提唱しています。

これは、集う人々の「歓び」「健康」を創造し、「歓/共/健/築」を念頭に、人のつながりが新たな価値を生む多様性のある空間をトータルデザインするための新たな概念です。

歓共健築 - 歓びを共有し健康となる建築 集う人々の歓び 健康を想像し 地球にも優しい

ZEBに向けた取り組み-ZEBの実現と快適性の両立

ZEBへ向けた「省エネルギー性」の向上に加え、多様なワークスタイルやワーカーの好みにフォーカスした「快適性」の高い執務環境をめざし、大規模ビルにもさまざまな環境配慮技術を導入しています。これらの技術は、新規システム開発から実験段階・中小規模のビルでの実証段階を経て導入しており、シミュレーションや実測に基づきながら次世代の省エネ性と快適性を有するテナントオフィスビルの設計に取り組んでいます。

東五反田1丁目ビル ZEB Ready取得

(株)三菱地所設計は、ジャパンリアルエステイト投資法人(以下、JRE)が保有するポートフォリオ全体のCO2削減可能性について検証することを目的とした業務を受託し、あわせて改修によるZEB※1化が可能な物件の抽出作業・および具体的なZEB化に向けた検討を行いました。具体的には、築年数、外皮性能、建物規模、空調方式、照明方式等の分析を通じて、CO2削減仕様の提案を行いました。JREでは、本分析結果を踏まえ、2030年のZEB化物件保有目標数を5~10件に設定。その達成に向けた初弾として、同社が保有する東五反田1丁目ビルが設計段階における「ZEB Ready※2」および建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」5スター(最高評価)を取得しました。

  • Net Zero Energy Buildingの略称。年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物。
  • ZEBを見据えた先進建築物として、再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上消費量が削減された建築物。
BELS ZEH-M - この住棟のエネルギー消費量50%削減 建築物省エネルギー性能表示制度 国土交通省告示に基づく第三者認証 2019年11月22日交付

東五反田1丁目ビル外観

東京都環境確保条例「地球温暖化対策報告書」の公表

三菱地所(株)の「地球温暖化対策報告書」はこちらからご覧ください。

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