丸の内仲通り ~エリアマネジメント~

丸の内エリアに満ちあふれるエネルギーを行き交う人々にお伝えしたい。

2016/3/7更新

写真:丸の内仲通り

かつてはビル1階の路面店に銀行店舗が軒を連ねており、夜や休日ともなると人影がまばらになり無機質でビジネスパーソンのためだけの街であった東京・丸の内エリア。しかし今やそのメインストリートである丸の内仲通りは、ビジネスパーソンのみならずショッピングや観光を楽しむ人々で日夜活気に満ちあふれている。そんな劇的な変貌が評価され、2014年度グッドデザイン賞を受賞し、国土交通省の主催する「平成27年度都市景観大賞(都市空間部門)」において大賞(国土交通大臣賞)の栄誉にも輝いた丸の内仲通り。丸の内を晴海通りから永代通りまで南北に貫く全長1.2kmの目抜き通りを、三菱地所はいかにして通過するだけの“道路”からアメニティに満ちた“空間”へと変えていったのか。地域や行政と一体になって取り組んだ、再開発の足跡をご紹介します。

魅力ある街づくりに向け丸の内の全地権者が団結

写真:丸の内仲通りの変化

丸の内仲通りの変化

1890年に明治政府より三菱社が購入し、日本初の本格的な賃貸オフィス街として開発が始まった丸の内エリア。オフィスビルの建設が進んだ1960年代からの高度経済成長期を経て、1990年代後半、三菱地所はオフィスに特化した街づくりからの脱却を図り魅力ある街づくりを目指すべく、地域の地権者、さらには行政へと働きかけ、公民が一体となった丸の内再構築を開始した。エリア全体の活性化を目指すべく、街路などのハード面の整備とエリアマネジメントのようなソフト面の活動、その両輪でプロジェクトは進む。
1988年、当時約70もの企業・団体により、地権者が自ら具体的な街づくりを考えるために結成された「大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会(大丸有協議会)」を皮切りに、1996年には大丸有協議会と東京都、千代田区、JR東日本による、公民連携のまちづくりを目指す「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり懇談会」が発足。さらに2002年には、「ソフトなまちづくり」を実践する「NPO法人 大丸有エリアマネジメント協会(リガーレ)」が誕生し、今もなお公民連携による開発は続いている。そもそも、なぜ丸の内エリアではこのような公民一体型の街づくりが推進されているのか。三菱地所開発推進部都市計画室の重松眞理子は、こう説明する。

写真:重松眞理子氏

「街づくりは行政だけの役割でも民間だけの仕事でもありません。地域の特色を表現しつつエリア全体の魅力を高めていくには、全地権者が同じビジョンを共有し、行政と対話しながら街づくりを行う必要があります。日本では現在、そんな“エリアマネジメント”が各地で盛んに行われているのですが、丸の内エリアはその先駆者であり、質・規模ともに群を抜いています」。

エリアマネジメントにおいて地権者同士が手を結ぶことは必要不可欠。街づくりを取り巻くさまざまな規制と向き合うには、地域全体の総意を取りまとめ、行政と対話するための主体が求められるからだ。とくに公共の施設である「道路」の活用においては、行政側からの理解は欠かすことができない。先に挙げた地権者の集まりの中で三菱地所は旗振り役となり丸の内再構築に取り組んだ。

“クルマのための通路”から“人が中心の空間”へ

写真:重松眞理子氏

「当地区では1972年から続く、丸の内仲通りに彫刻を展示する“丸の内ストリートギャラリー”や、1985年に始まったランチョンプロムナード(歩行者天国)等、古くから道路空間の活用に取り組んでいましたが、1999年に開催した東京ミレナリオ、2004年に実施した歩道でのオープンカフェ実験などを通じて、行政側の理解も徐々に得ながら他の地区に先行して、活用の幅を広げてきました。さらに、道路を活用することがいかに街をPRすることにつながるかという説明も絶えず行ってきました。たとえば世界各国で行われているMICE(マイス)※1についても、大きなコンベンションホールでの会議だけでなく、街に飛び出してのイベントやパーティを通して“来街者に特別感を与え、街の特性を演出することができる場”が求められており、あえて道路上でイベントを行うことが国際競争力の向上につながると考えられています。道路は街にとって、大きなポテンシャルを秘めているのです」。

※1 MICE(マイス): Meeting、Incentive、ConferenceまたはConvention、ExhibitionまたはEventの4つの頭文字を合わせた言葉。企業などの会議やセミナー、研修旅行、国際会議や総会・学会、展示会・見本市・イベントなど、観光および旅行の観点から着目した総称。

写真:丸の内仲通りの様子

丸の内仲通りの様子

写真:丸の内仲通り「アーバンテラス」

丸の内仲通り「アーバンテラス」

写真:重松眞理子氏

公民連携による最たる取り組みが歩道環境の整備。“クルマのための通路”から“人が中心の空間”へとリニューアルすべく、歩道:車道:歩道の幅員をそれまでの6m:9m:6mから7m:7m:7mに。あわせて車歩道を共通の舗装(アルゼンチン斑岩)とし、公有地・民地の境界にこだわらない一体的な仕様とした。街並に統一感を持たせるため、沿道の建物の軒高を31mに揃えていることも大きな特徴のひとつ。加えて、並木にはあえて落葉の多いケヤキを採用している。その理由を重松はこう話す。

「清掃が大変なので通常ではこんなに落ち葉の多い木は採用しないのですが、春夏には緑陰が、そして秋には紅葉を楽しめる、四季の感じられる通りを目指したのです」。

丸の内の熱いエネルギーを行き交う人々の活気に

写真:東京丸の内盆踊り

東京丸の内盆踊り

写真:丸の内イルミネーション

丸の内イルミネーション

道路を空間として活用する街づくりのモデルケースとなり、エリアの「賑わい軸」として位置づけられた丸の内仲通り。近年では打ち水イベント「丸の内de打ち水」や「東京丸の内盆踊り」、約200本の街路樹に約100万球のLEDがきらめく「丸の内イルミネーション」など訪れた人に楽しんでもらえるよう多彩なイベントを開催している。
国土交通省からも「海外にも例のない新しいスタイルの街」と評価され、「平成27年度都市景観大賞国土交通大臣賞」を受賞したほか、2015年3月には東京圏で初めてとなる国家戦略特区※2における「国家戦略道路占用事業」の適用区域に認定され、アーバンテラスなど道路空間を活用したイベント等の開催へ向けた手続きをさらに進めている。

写真:重松眞理子氏

最後に、今後の丸の内仲通りの在り方、そして街と人への想いを重松にたずねた。「丸の内仲通りのコンセプトは“アーバンリビングルーム”。都心におけるリビングルームのような空間にすることを目標に現在進行形で開発が進んでいます。それと同時に、私は“丸の内のエネルギーをみんなに伝える”こともミッションのひとつと考えています。この街は一見すごく整然としていますが、建物のなかは24時間アグレッシブに動いていて、いつもエネルギーに満ちあふれている。そのエネルギーが道路にまであふれて、通りを行き交う人々の活気につながるような、そんな丸の内仲通りになってくれたら素敵ですね」。

(取材撮影協力:Marunouchi Cafe × WIRED CAFE)

※2 国家戦略特区:産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点の形成を促進する観点から、国が定めた国家戦略特別区域において規制改革等の施策を総合的かつ集中的に推進 するための制度。

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