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特集3 都市と農山村をつなぐ「空と土プロジェクト」

都市と農山村をつなぐ「空と土プロジェクト」 三菱地所グループでは、グループ社員やその家族などが農山村で開墾や間伐に取り組む「空と土プロジェクト」を通じて、お互いの発展に寄与しながら、ともに元気になる社会をめざしています。

都市と農山村がともに支え合う持続可能な社会の実現をめざして

三菱地所グループは、「都市と農山村が、お互いに元気になる社会」をめざした「空と土プロジェクト」を2008年度から実施しています。山梨県北杜市で活動を行うNPO法人「えがおつなげて」と連携し、過疎化や住民の高齢化が進む地域である増富地区との交流を通して、都市と農山村それぞれが抱える問題を認識し、ともに支えあう持続可能な社会の実現をめざしています。
こうした目的のもと、三菱地所グループ社員や三菱地所コミュニティ(株)管理のマンション居住者などを対象に、「空土ファーム」と名づけた田畑の開墾、間伐ツアーなど多様な体験プログラムを実施。2010年度は、地域との交流を深めるために新しい体験プログラムを企画しました。その一つが、地域に住む人と都市から訪れる人の交流スペースを地域の森林資源でつくる「コミュニティハウスプロジェクト」です。
周辺の森の間伐材(ヒノキ・カラマツ)などを活用し、三菱地所ホーム(株)の協力を得て2×4工法の簡易な休憩スペースを製作。参加者は、青空のもと、木の匂いを感じながら大工仕事に夢中になりました。

  • コミュニティハウスづくりの様子

事業活動と地域資源の融合で地域活性化を促進

加えて、「空と土プロジェクト」では、三菱地所グループの事業活動と連携した取り組みも順次進めています。木材や農作物などの地域資源と企業の経営資源を融合させ、新たな価値を生み出していくことを通して、地域の活性化に寄与していく―― これも「空と土プロジェクト」の目標の一つです。
たとえば、国内林業の持続的かつ健全な発展を目的に国産材の活用を推進している三菱地所ホーム(株)(注文住宅事業)では、かねてから「空と土プロジェクト」を通じた山梨県産材の活用を検討しており、2011年8月から「やまなし県産材」表示のある製品(I型ジョイスト)を注文住宅に標準採用することを決定しました。
今後は、構造部オール国産材の標準採用に向け、資材調達やコストの安定化への取り組みを行うと同時に、国内森林資源への関心が顧客層に深まるように、連携を図っていきます。
農作物を通じた地域活性化という観点では、2010年9月、東京・新丸ビルの飲食店ゾーン「丸の内ハウス」で、甲州ワインビーフや甲州信玄豚など山梨県産の食材を使った料理を提供するフェア「おあんなって山梨」(主催:山梨県商工会連合会)を開催しました。また、2010年10月には、東京・丸ビルで開催された「青空市場×丸の内マルシェ」で、空土ファームで収穫したお米や小麦などを販売しました。当日は、丸の内エリアの就業者や周辺レストランのシェフ、体験ツアー参加者が多数買い物に訪れました。

Topics 農薬を使用しない「酒米づくりプロジェクト」を実施

棚田で育てたお米からつくった純米酒を丸の内のレストランで販売

「酒米づくりプロジェクト」とは、遊休農地を開墾し復活させた棚田※で、地域の方と丸の内エリアの就業者、三菱地所グループ社員が田植えや稲刈りを行って国産の酒米「ひとごこち」を農薬を使わずに育て、純米酒をつくろうという取り組みです。
2010年5月に田植え、10月に稲刈りを実施し、創業二百十余年の歴史をもつ山梨県内の蔵元・萬屋醸造店にて醸造、「純米酒『丸の内』」が完成しました。2011年2月下旬から丸の内エリアのレストランなどで提供・販売し、遊休農地の利用促進と消費地である首都圏への販路拡大に貢献しています。

※棚田:山麓や丘陵などの傾斜を利用した階段状の水田。土砂災害や洪水の防止をはじめ、雨水や農業用水が浸透することで地下水として再利用できる水資源の涵養、豊かな生態系の保全など、多様な役割を果たしています。

純米酒「丸の内」

酒蔵見学

都市農山村交流で日本の豊かな里山が再生されました。 棚田の土地所有者 小尾 清明氏(山梨県南アルプス市在住)

この棚田は先祖代々伝わる大切な土地ですが、私を含めて跡を継ぐ世代が土地を離れ、荒廃が進んでしまいました。2008年、空と土プロジェクトで開墾体験を行ったことがきっかけで、翌年には棚田再生のプロジェクトが立ち上がり、5月には田植えに来る子どもたちの笑い声が響き渡りました。2010年は酒米づくりにも一緒にチャレンジし、できたお酒は私にとっても格別の味わいでした。

都市の食が地域に支えられていることを実感しました。 銀座寿司幸本店 主人 杉山 衛氏

小雨の降る中、黄金の稲穂を鎌で刈り取り、天日干しをしました。食に携わる料理人として、生産地を訪れて風土を感じながら酒米を収穫できたことは貴重な経験であり、改めて都市の食は地域に支えられていると実感しました。完成した純米酒「丸の内」をお店で提供する際は、自分が関わったお酒としてお客様にご説明すると同時に、日本の伝統文化である日本酒の良さを伝えていきたいと思います。

2010年度体験ツアー開催実績

CSRツアー(三菱地所グループ社員対象)
4/24(土) 開墾体験と金山トレッキング
8/6(金)〜7(土) 親子農村体験キャンプ
10/20(水) コミュニティハウスプロジェクト(壁作り)
空土バスツアー(三菱地所コミュニティ管理のマンション居住者対象)
5/22(土) 親子田植え体験と森林体験
8/20(金) 親子夏野菜収穫体験とブリ縄体験・川遊び
酒米づくりツアー(丸の内エリア就業者、三菱地所グループ社員対象)
5/29(土) 田植え体験と酒づくりセミナー
10/9(土) 稲刈り体験とネーミングワークショップ
空土倶楽部イベント(空土倶楽部※登録者限定)
8/28(土)〜29(日) コミュニティハウスプロジェクト(床作り)
11/20(土) 収穫祭(味噌仕込み会)
2/12(土) 酒米づくりツアー(酒蔵見学)

※空土倶楽部:「空と土プロジェクト」ツアー参加者の都市農村コミュニティ倶楽部です。

酒米づくりツアーでの田植え

空土バスツアーでの森林体験