CSR三菱地所グループ 食の復興支援活動 Rebirth 東北フードプロジェクト 第7弾 オリジナル缶詰「はらくっついTOHOKU」2ndシリーズ開発

 


人と人、地域と地域が結びつく新たな流通モデルを目指すイタリアン缶詰

三菱地所グループでは、震災復興支援活動として、2011年11月より東北エリアと丸の内のシェフが連携し、東北食ブランドの再生を目指す「Rebirth 東北フードプロジェクト」に取り組んできた。これは「丸の内シェフズクラブ」(会長:服部幸應氏)の協力のもと、東北エリアのシェフや生産者と連携しながら、東北エリアの食材を用いた新商品・新メニューの開発を行い、復興を支援しようというものだ。(参照:これまでの実績

第7弾となる今回は、オリジナル缶詰「はらくっついTOHOKU」(宮城の方言で、おなかいっぱいの意味)の開発に取り組んだ。昨年(第6弾)に続いての企画で「2ndシリーズ」として商品化する。継続した支援で地域食文化の魅力を再発掘しながら、人を結び、新しい流通モデルの構築を目指していく。

缶詰に込めたのは被災地の産業の復興と、人を繋ぐストーリー

「はらくっついTOHOKU」の缶詰は、2014年の第6弾のプロジェクトで誕生。丸の内シェフズクラブのシェフと東北のシェフに気仙沼、石巻の缶詰加工業者の4者が連携してオリジナル缶詰2商品を開発(2014年3月から販売)した。

震災時、災害復旧に当たった三菱地所社員の「災害時における美味しい食事の大切さ」を報告する声を元に、復興途上の沿岸部(気仙沼市・石巻市)の水産加工業を応援する目的と、防災意識の高まりから非常食の需要が増えている現状をとらえて企画された。

宮城・三陸のブランド食材の魅力を最大限に生かした魅力的な缶詰商品として、「とろとろさんまとフカヒレと大島柚子の味噌煮込み」(気仙沼)、「山椒香る金華サバとムール貝と野菜たっぷりのお椀」(石巻)の2種、それぞれ約1万3000缶を製造(のちに増産)した。
この取り組みには、販路の回復が課題となっている被災地の水産業・水産加工業の産業復興を目指しただけでなく、開発をベースに“人をつなぐ”各種プロジェクトを展開したストーリーがあった。「東北支援と社会貢献を高いレベルで実現した」として、2014年グッドデザイン賞を受賞するなど大きな話題を呼んだ。

今回の「Rebirth 東北フードプロジェクト」第7弾でも、気仙沼・石巻の水産加工業を軸とした継続的な支援を目的に「はらくっついTOHOKU 2ndシリーズ」としてオリジナル缶詰を開発。今回、気仙沼、石巻に共通するテーマは「イタリア」だ。

食材として選ばれた「メカジキ」「ギンザケ」はイタリアでもよく食べられる食材。また、気仙沼市は日本初のチッタ・スロー協会(本部:イタリア)加盟都市であり、石巻市はチヴィタヴェッキア(ラツィオ州)の姉妹都市でもある。このプロジェクトをもとに新たなネットワークを構築する狙いもある。

参加シェフは、丸の内シェフズクラブからは、ステファノ ダル モーロ氏(アンティカ・オステリア・デル・ポンテ 総料理長/千代田区丸の内、丸の内ビルディング36F)、笹島保弘氏(イル ギオットーネ丸の内 オーナーシェフ/千代田区丸の内、東京ビル1F)。

東北エリアのシェフは、廣瀬竜一氏(リストランテ ダ・ルイジ オーナーシェフ/仙台市青葉区)、庄子達広氏(デル・カピターノ オーナーシェフ/仙台市青葉区)。

水産加工業者は、高品質フカヒレの缶詰・スープ製造の(株)石渡商店(気仙沼市)、鯨の大和煮や、採れたてのサバやサンマを生で加工するフレッシュパック製造で知られる(株)木の屋石巻水産(石巻市)の2社で、昨年に続き2度目の参加となった。
それぞれの開発の過程を紹介しよう。

イタリア食材が気仙沼メカジキの新しい可能性を引き出す

気仙沼の食材は、水揚げ日本一を誇るメカジキ。ステファノシェフと廣瀬シェフがパートナーになり初めて缶詰開発に取り組んだ。「メカジキはイタリアでもシチリア島周辺でよく獲れるポピュラーな食材で、家庭料理にもよく使われる。素材を生かすシンプルな料理に挑みたい」とナポリ出身のステファノシェフ。メニューはトマトなどと合わせた「地中海風煮込み」に決まった。廣瀬シェフもナポリで修業経験があり、「メニューの方向性はすぐに共有できた」と話す。

2014年9月、石渡商店との初回現地打ち合わせと視察では、まず、水揚げされたばかりのメカジキが並ぶ夜明け前の気仙沼魚市場へ。冬の旬に向かって脂が乗りはじめたメカジキは、市でもブランド化に力を入れている。気仙沼の人にとっては昔から年末年始に欠かせない“ごちそう”だ。廣瀬シェフは、「こちらでは醤油で煮付けることが多いようなので、新しい食べ方としてイタリア料理はいい提案になる。これまで需要がなく捨てられている部位の食べ方もイタリア料理として面白い提案ができそうだ」と食材としての可能性の高さに期待を膨らませた。

石渡商店では製造工場見学の後、試食会が行われた。製造を担当する石渡久師専務は「イタリアンは初めての経験。調味料で味付けをするのではなく、一つひとつの素材の味が合わさって出来上がる調理法に戸惑った」と緊張気味だったが、ステファノシェフは味を見てすぐに、「ほぼ完成している。後は味の微調整だ」と笑顔でOKサイン。

よりクオリティーを高めるために、シェフたちから具材のサイズや塩の加減、素材の選択などを中心にアドバイスをもらいレシピを磨いていくことに。完成までの細かなアドバイスは廣瀬シェフがサポート。

2回目の現地打ち合わせは2015年1月。シェフたちは缶詰の実際の製造ラインを見学しながら、前回から工夫を重ねた点など説明を受けた。一同は丁寧に手作業で進められる工程に改めて感心しながら試食へ。シェフは2人とも「味がまとまっている」「Ottimo Lavoro.(すごくいい仕事)」と太鼓判を押した。

実は石渡専務は、初回の試食会の後、本製造のための食材調達と、イタリアの食文化を体験するためにイタリアを訪れていた。「シェフたちが本気でアドバイスをしてくれていることに、本気で応えたいと思ったんです。シェフの目指す本場の味の表現に近づけるとうれしい」。現地でも缶詰の試作を食べてもらったところ好評だったそうだ。

石巻が誇るギンザケの魅力が詰まった小宇宙

一方、笹島シェフと庄子シェフが担当する石巻の食材は、石巻が養殖発祥の地であり、生産量日本一のギンザケ。柔らかで旨みのある身は刺身でも美味しく、宮城県でもブランド化を進めている。石巻の缶詰はギンザケとホワイトクリームを合わせたメニューに取り組むことになった。

木の屋石巻水産との第1回目の現地打ち合わせは、2014年10月。シェフたちは、まず原料となる魚の下処理を行う石巻工場を見学した後、加工を行う美里工場へ。缶詰開発は自身初という笹島シェフは、実際の製造ラインを見ながら素材の詰め方やPRについて次々にアイデアが湧いたよう。缶詰の中に「美味しい小宇宙」(笹島シェフ)を表現しようとアドバイスにも力が入る。

試食では、おおむね「美味しい」と高評価だったものの、おもにクリームの濃度や見た目の美しさをブラッシュアップすることに。同社営業部の鈴木誠さんは、「イタリアンもクリームを使ったものも初めてでまだまだ改良が必要だが、シェフの目指す味を一緒に表現したい」と意気込みを話した。商品開発経験のある庄子シェフが原料の調達など細かなサポートで支えていくことに。

その後、缶のサイズやとろみなど何度もやりとりしながら、2015年2月に迎えた2回目の現地視察と試食会。笹島シェフは「ギンザケのしっとりとした食感と美味しさに驚いた」と高く評価しながら、完成へあと一歩のクリームの濃度を課題に上げる。試食で用意した以外にもさらに現場で数パターンを作り、完成形へ近づけることになった。

イタリアンの缶詰「はらくっついTOHOKU 2ndシリーズ」がいよいよ完成

イタリアンという新しい機軸で、丸の内シェフズクラブのシェフと東北エリアのシェフ、水産加工業者が互いにアイデアと技を出し合って作り上げた、今回の「はらくっついTOHOKU 2ndシリーズ」。

気仙沼・石巻の各1万2000個、計2万4000個を製造し、三菱グループでの営業ツールや備蓄品として継続的に購入するほか、首都圏、東北での販路拡大を支援していく。
「究極の缶詰」「美味しい備蓄品」として多くの注目を浴びた1stシリーズ同様、備蓄に役立つだけでなく、普段の食卓に彩りを添えるクオリティーの高い味わいに仕上がった。

「気仙沼産メカジキの地中海風煮込み」は、旬のメカジキをメーンにトマトやグリーンオリーブ、ケッパーなどが入ったイタリア伝統料理。パスタソースにしたり、押し麦の暖かいサラダに使ったり、スープソースとしてパンを添えたりと料理の幅も広がりそうだ。

「石巻産ギンザケのクリームスープ仕立て」は、しっとり柔らかなギンザケの旨みがやさしい味わいのクリームスープによく合う。柚子のほのかな香りと地元の高砂味噌醤油の白味噌を使用、イタリアンで味わう新しさと同時に懐かしさも感じる仕上がりだ。

「シンプルな料理だけど、缶詰に表現する難しさがある中、よく美味しく作り上げたと思う。私もこれを家で食べられるならお店に行かなくてもいいと思うほど(笑い)。イタリアにはトマトやオリーブなど食材となる缶詰はあっても、料理の缶詰はほとんどないといっていい。このクオリティーはイタリアでも売れるかも」とステファノシェフ。

笹島シェフは「東北の産業の復活や人々の暮らしのために役立つことが今必要な支援だと思います。缶詰の中に料理を閉じ込めてタイムカプセルみたいに表現するのが難しかったですが、妥協せずにクオリティーを高め合ったことがいい経験になり、またお互いのそういう姿勢が今後も継続させるために必要なことだと思います」と話した。

価値を共有するネットワーク。今後の広がりに大きな期待

東北エリアのシェフたちとっても、今後の取り組みへの大きな糧となったようだ。
「缶詰は開けてみるまで分からないのが難しく、いろいろな意味でためになる経験でした。自分も震災のとき缶詰を食べたので、有事に役立つ美味しい缶詰づくりに関われたのはうれしいことです。また、水産業の回復について、消費者に近いところにいる自分たちのような地元の料理人が新しい需要を掘り起こせるのではないかという希望も持てました」と廣瀬シェフ。

庄子シェフは「地元の料理人として、世の中の人から“忘れられない”よう、復興への継続的な活動をしていく努力が必要だと思っていたので今回の缶詰開発に関われて良かったと感じています。笹島シェフはじめ、今回のプロジェクトに関わる方々との出会いを今後に生かしていきたいですね」と今後の広がりにも期待を寄せる。

復興半ばの気仙沼・石巻を支える産業のけん引役となっている2社もこう振り返る。
「今回は未体験だったイタリアの食文化まで学んで挑みました。今回の取り組みは、販路の広がりだけでなく、スローフードの街・気仙沼で今後の活動に役立つと思います」と石渡商店の石渡専務。

木の屋石巻水産の木村長努社長は、「前回の取り組みで、木の屋のブランド価値を高めていただきました。2回目の今回は前回以上に皆さんの期待に応えたいと努めました。今回も地元の身近な食材の可能性を教えていただき、自分たちにとって一つひとつの工程が財産になっていると思います。まだ全体の売り上げは震災前の70%。販売力が足りない中、これを機会にさらに頑張りたいと思っています」と話した。

「はらくっついTOHOKU 2ndシリーズ」は、いよいよ3月5日(木)にお披露目となる。丸の内ビル1F丸の内カフェeaseでは、6日(金)~13日(金)迄、4人のシェフが缶詰を使って考案したメニューを提供。その味わいと料理法などを、広く一般消費者に楽しんもらえる機会となる。東北のブランド食材を使い、プロの技が結集した究極の缶詰の味をぜひ味わってほしい。

これまでの実績

第1弾 (2011年11月14日)

仙台にて、丸の内シェフズクラブのシェフと東北エリアのシェフが料理セミナーと東北の食材を使った「東北食のビュッフェ」を開催。

第2弾 (2012年2月20日~3月4日)

丸ビル1F 丸の内カフェeaseにて「はらくっつい宮城食堂」を期間限定でオープン。第1弾で開発したメニューの一部をランチとして提供、レシピも公開した。

第3弾 (2012年4月16日)

仙台にて「シェフの絆」をテーマに丸の内シェフズクラブのシェフと東北エリアのシェフがパートナーを組み、宮城の食材を生かしたメニューを共同で開発。

第4弾 (2012年8月22日、23日、展示物は20~23日)

丸ビル1F マルキューブで、宮城の生産者と丸の内で働く方や訪れる方をつなぐことをテーマに、宮城の食材・加工品のマルシェ「はらくっつい宮城市場」を開催。

第5弾 (2013年3月4日~4月3日)

「厳選10社の旨い食材が揃いました。被災地支援ウィークス」を 新丸ビル7F 丸の内ハウス、丸ビル1F 丸の内カフェeaseで開催。ミュージックセキュリティーズの「被災地支援ファンド」へ出資し、生産者をより直接的に経済支援した。支援先の生産者の食材を用いたメニューを、各飲食店が開発、提供。丸の内ハウスでは、生産者が生産地の実情を語るトークイベント等も開催した。

第6弾 (2014年3月6日~4月16日)

「はらくっつい TOHOKU」1stシリーズとして、石巻と気仙沼のブランド食材を使用したオリジナル缶詰(2商品)を開発。2014年3月6日より販売開始。併せて丸の内カフェease 等で複数のイベントを開催。

<本件に関するお問い合せ先>

  • 三菱地所株式会社広報部電話:03-3287-5200

東北フードプロジェクト

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