災害に負けないまちづくり

BCPへの取り組みと見直し

三菱地所グループでは、災害や事故が発生した場合に重要な業務を中断させないために、また、万が一中断した場合にも迅速な再開を可能とするために、「事業継続計画」(BCP:Business Continuity Plan)の立案に取り組み、2006年10月に「三菱地所グループ事業継続計画ガイドライン」を策定しました。2012年12月には、東日本大震災を受けて「三菱地所事業継続計画文書」および「三菱地所グループ事業継続計画文書作成の手引き」を策定。継続的に更新し、「災害対策要綱」との連動性を高め、お客さまおよび三菱地所グループ社員の安全性を確保するとともに、事業の継続についてPDCAサイクルの考え方のもと日ごろから備えています。社会的責任を果たすため、今後もさらなる改善を進めていきます。

ビルの耐震対策

三菱地所(株)では、1995年1月に発生した阪神淡路大震災の被害状況を踏まえて、所有ビルについて順次、耐震診断を実施しました。その結果、一部のビルについては「新耐震設計法」の基準に照らして耐震補強を実施することが望ましいと認められ、加えて1995年12月には「耐震改修法」が施行されたことにより、さらに安全性を追求するべく、同法に準拠した耐震補強工事を実施し2002年度に対応を完了しました。現状では、新耐震基準制定前に建設したビルについても、阪神淡路大震災で被害の少なかったレベルの耐震性能を確保しています。東日本大震災においても、一部で設備への影響があったものの被害は軽微であり、構造上の影響はありませんでした。

グランキューブ開発における高度防災都市づくりへの取り組み

2016年4月1日、東京・丸の内に、地上31階・地下4階の超高層ビル「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」が竣工しました。
このビルの特徴は、開発計画段階に起こった東日本大震災の教訓を生かした、高度防災機能の強化を重視した設計です。防潮板・水密扉の設置、備蓄倉庫や重要拠点の地上階への設置など万全の水害対策を整備。また、民間事業者では初となる都心浄化施設を設置し、災害時にインフラ供給が止まった場合も電力、水、換気がすべて自立して機能するシステムを備えるなど、高度防災都市づくりへの工夫を随所に凝らしました。また、東日本大震災の際に被災地で入浴需要が高まったことを教訓に、地下1,500メートルから温泉を掘削し、温浴施設をオープン。有事の際には、被災者支援従事者に開放する計画です。国際医療施設聖路加メディローカスとの連携など、有事の際の周辺連携システムも構築しました。
オープンから1年、一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会から「エリア防災ビル」として認証されるなど、エリア全体の防災性向上機能を担う存在となっています。

画像:グランキューブ外観

グランキューブ外観

画像:汚水の浄化施設

汚水の浄化施設

災害状況を把握するライブ配信システムを活用した防災訓練

2018年3月、三菱地所は、ライブカメラによる各地の映像など災害対策に必要な情報をWebサイト上で一元的に確認できる「災害ダッシュボード」を使った防災訓練を大手町・丸の内・有楽町エリアで実施しました。
「災害ダッシュボード」は、災害時の状況把握、帰宅困難者対策、負傷者対応などへの活用を目的として開発した災害情報プラットフォームです。帰宅困難者の滞留状況や負傷者への対応状況をライブ映像で表示し、エリア内の鉄道事業者や不動産事業者に情報を発信します。また、インターネット上の公的なオープンデータ(行政情報、鉄道情報)を集約して表示することもできます。こうした事業者向けの災害情報集約・発信は日本で初めての取り組みです。
災害発生時には周辺状況の把握が重要なため、「災害ダッシュボード」によって地域の事業者や災害対策本部での情報共有が実現することで、今後の災害対策の充実・強化につながると考えています。

写真:「災害ダッシュボード」画面イメージ写真:「災害ダッシュボード」画面イメージ

「災害ダッシュボード」画面イメージ

防災力の向上を図る市街地再開発事業

三菱地所レジデンス(株)は、東京都足立区の北千住駅前エリアにおいて、老朽化した建物が密集する状況を解消して防災力の向上を図る「市街地再開発事業」に2017年11月から参画致しました(2020年12月竣工予定)。
このプロジェクトの正式名称は「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」です。現在、千住一丁目周辺は老朽化した建物が密集する街区となっており、オープンスペースが少なく、緊急車両の接近が困難であるなど、防災面および安全面で課題を抱えています。こうした課題を解決し、あらゆる世代の方が長く住み続けることができるまちづくりを目指して、約300㎡のオープンスペースの整備をはじめ、計画地および周辺の街路整備や道路の拡幅などによって防災性と安全性を向上させるほか、老朽化した商業・業務施設を更新するとともに地上30 階地下1 階建の都市型住宅を整備します。

画像:外観完成予想CG

外観完成予想CG

直下型地震情報伝達ネットワークの構築

三菱地所は、首都直下型地震発生時におけるエレベーターの安全停止と閉じ込め事故の防止を目的に、総合デベロッパーとしては日本初となる独自の直下型地震情報伝達ネットワークを構築しました。
このシステムは、(株)ミエルカ防災が開発した地震計「ユレーマス」を三菱地所グループに関連する首都圏7施設に設置し、各施設で測定された地震のP波情報を丸の内地区にある高層ビルへいち早く伝達。このP波情報をもとに実際の振動が到達する時間と地震の大きさを計算します。これらの地震情報は、新丸ビルをはじめとした丸の内エリア4 棟の高層ビルでエレベーターの制御に活用され、大きな揺れに備えてエレベーターを非常停止させるなど安全対策に役立てられます。

画像:「ユレーマス」導入施設と地震情報伝達対象

「ユレーマス」導入施設と地震情報伝達対象

サンシャイン60における長周期地震動対策

2011年に発生した東日本大震災では、長周期地震動によって大都市圏の超高層ビルが大きくかつ長く揺れ続けるという事態が発生しました。今後予測されている大地震においても、長周期地震動による被害が懸念されています。
(株)三菱地所設計では、東京池袋のサンシャイン60における長周期地震動対策として、建築主である(株)サンシャインシティおよび施工会社の鹿島建設とともに研究会を立ち上げ、長周期地震動が注目される以前から社会の動きを先取りする形で長周期地震動を調査・検討してきました。また、この調査と検討の成果をもとに3種類のダンパーを効果的に組み合わせる「ダンパー組み合わせ工法」を日本で初めて開発し、サンシャイン60の耐震補強工事を実施。2016年に工事を完了させました。この工法により、ビルのテナント入居者に影響を与えることなく、最新の超高層ビルと同等以上の高い耐震性を発揮する長周期地震動対策を実現しています。

自社建造物における方針

三菱地所グループでは、大丸有エリア(大手町、丸の内、有楽町地区)において、経済、社会、環境、文化の分野でバランスのとれた魅力あるまちづくりを進める目的で「まちづくりガイドライン」を策定しています。建造物におけるバリアフリー対策としては、建物出入り口の段差解消など、「人にやさしいまちづくり」を進めています。当エリアにおけるバリアフリー法認定建物件数は13件(2017年3月現在)です。
また、障がいのある方にも安全・快適に利用いただけるビルづくりを進めるために、定期的に調査を行い、障がいをもつ方の声を直接反映させています。

バリアフリー法認定建物件数

13件

災害に強いマンションをめざして(三菱地所コミュニティ(株)の取り組み)

地震によりマンションのエレベーターが停止した場合には、近所に給水所が設けられたとしても給水所までの往復には階段を使用しなければならず、水を運ぶだけでも大変な作業になってしまいます。高層化したマンションでは、電気・ガス・水道と同様に、エレベーターもライフラインの一部なのです。
しかし、地震発生時のエレベーター保守会社の対応は、公共性の高い建物(病院・庁舎)の復旧が優先されるため、マンションの復旧順位は低くなっているのが現状です。また、地震発生時にエレベーター保守会社の作業員は、総動員で交代作業の体制を取りますが、それでも復旧が間に合わない状況となります。
そこで、三菱地所コミュニティでは、既存のエレベーターを「災害に強いエレベーターに変えることができないか」を検討しました。その結果、機器の変更により「地震時自動診断&仮復旧機能」が利用可能なエレベーターがあることが分かりました。この機能を利用すると、地震後の復旧時間が大幅に短縮されます。(現状では地震が発生した場合、エレベーター保守会社の作業員が点検を行うまで復旧しませんが、利用後は最短30分程度で自動復旧するようになります。)そして調査を進めた結果、当社が管理するエレベーター約4,000台のうち、およそ400台でその機能が利用可能であることが判明し、随時、お客さまへ提案していくことにしました。
マンションにお住いの多くのお客さまは、地震後に「高層難民」となってしまうことを大変懸念されていましたので、当社のタイムリーな提案はお客さまにとても喜んでいただけました。

写真:三菱地所コミュニティの社員

三菱地所コミュニティの社員

震災対応の強化

三菱地所では、地震発生時、建物内数カ所に設置した地震計のデータを基に、建物の被害状況を把握し、継続使用可能かどうかを速やかに判定する被災度 判定システムを、丸の内ビル・新丸の内ビル・丸の内パークビルを起点に大手町・丸の内・有楽町・横浜・青山エリアの超高層ビルに順次導入しています。また、三菱地所と三菱地所プロパティマネジメント(株)で設置ビルの情報監視が可能となるセンター機能も追加導入しています。また、東日本大震災の経験から、 一般通話の輻輳に備え各拠点の通信設備(デジタルMCA無線)強化や帰宅困難者受け入れスペースの拡充等の対応を進めています。

写真:被災度判定システム

被災度判定システム

ビルの安全管理への取り組み

三菱地所では、ビル運営事業部内に「ビル安全管理室」を設置して、三菱地所プロパティマネジメントなどのグループ会社と連携し、三菱地所グループが管理運営する全国のビルでの日常点検や安全点検などを継続的に実施しています。また、安全点検・改修など、各現場での活動や情報を一元管理し、事故情報などの三菱地所グループ内の共有や必要に応じた対応の指示・支援を行っています。
ビルに関する事故情報は他社の情報も含めて収集し、原因究明の上、対策の必要があるかどうかも速やかに検討。東日本大震災の経験を踏まえて、対応できていること、強化すべきこと、見直すことを整理し、順次安全対策の向上に努めています。また、事故の未然防止のため、ビルの設計段階から「建築基準法」などの諸法令以上の厳しい基準を独自に設定した「ビル安全設計ガイドライン」を作成し、都度見直しを実施しています。

各ビルにAEDを配備強化

三菱地所では、2004年より各ビルの防災センターにAED(自動体外式除細動器)を設置して緊急時に備えていましたが、AEDによる救護活動が普及してきたことから、テナントの皆さまや来街者に容易にご利用いただけるよう、2009年3月より、保有ビルを中心にエントランスロビーなどにもAEDを追加配備しています。今後も新築ビルの竣工に伴い、順次増設していきます。

写真:1階ロビーに設置したAED

1階ロビーに設置したAED

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