ビルの運営管理におけるCO2排出量削減に向けた取り組み
三菱地所(株)が管理するISO14001対象ビル30棟における2010年度エネルギー使用量は、670万2,503GJ、CO2排出量は27万9,130トン-CO2で、2009年度と比較してエネルギー使用量が30万6,149GJ増加、CO2排出量が2万2,550トン-CO2減少しました。(新丸ビルにおける生グリーン電力のCO2排出係数が0であったこと、および電力各社のCO2排出係数が2009年と比べ概ね減少したことにより、CO2排出総量が減少したため。)
対象ビルにおいて夏季空調設定温度の緩和を実施し、また、冬季には給湯の一部停止や照明の一部消灯、空調設備の効率的な運転を実施し、2010年度の単位床面積あたりのエネルギー使用量(原単位)は2009年度と比較して、0.01GJ/m²減少し2.33GJ/m²となり、CO2原単位排出量は13kg-CO2/m²減少し97kg-CO2/m²となりました。
2011年度の各ビルの使用量目標値は、省エネ法に基づく前年比1.0%の削減と、都条例に基づく削減義務率のうち、いずれか厳しい方をビル毎の削減目標率として設定し、テナントの皆さまと一体となった省エネ活動により、地球温暖化防止に取り組んでいきます。
三菱地所ISO対象ビルのCO2排出量と原単位の推移

三菱地所ISO対象ビルのエネルギー使用量と原単位の推移

テナントの皆さまと一体となった「地球温暖化対策協議会」の開催
三菱地所(株)が管理するISO14001対象のビル30棟におけるエネルギー使用実績は、電気の使用が総エネルギーの約8割を占め、用途別ではテナント分が過半を占めています。こうした状況を踏まえ、横浜を含む首都圏のビルを対象に、2008年11月より各ビルで「地球温暖化対策協議会」を設立し、テナントの皆さまと一体となった省エネ活動を推進しています。
本協議会は、春季と秋季の年2回開催することとしており、2010年度は、テナント向けに作成した省エネに関する冊子「エコビル・スタイル」を使い、「東京都環境確保条例」および「省エネルギー法」改正の概要を説明するほか、ビルで実施している省エネへの取り組みや具体的な削減目標の説明、テナントの皆さまの省エネの取り組み方法のご紹介などを行っています。

2010年度エネルギー種類別使用実績
(ISO14001対象30棟)

2010年度エネルギー用途別使用実績
(ISO14001対象30棟)

地域冷暖房によるエネルギー効率の向上
丸の内熱供給(株)(地域冷暖事業)は、運転管理において安定した熱供給を行いながら省エネルギーを図っていますが、さらに継続的な省CO2・省エネルギーの実現のために、CO2削減推進会議を設置し、所有施設の環境性能向上に取り組んでいます。
「大手町カンファレンスセンターサブプラント」(冷水専用)と「丸の内二丁目センター」(メインプラント)の2010年度の温室効果ガス削減実績は、一般的なビルで採用されている個別熱源方式との比較において、2プラント合わせてCO2排出量換算約4,000トン/年となりました。
また、2010年度は旧東京中央郵便局敷地における再整備計画「JPタワー(仮称)計画」および「大手町一丁目第2地区計画」に併せ、冷水専用サブプラントの建設に着手しました。この2つのプラントでは、竣工した最新プラントの運転実績から、常時、効率改善に努めるとともに、プラント間の冷水連携システムを構築し、エネルギー融通によるさらなる省エネルギーと供給安定性の向上をめざす計画としています。
また、丸の内一丁目・二丁目センターは東京都環境確保条例に基づく「温室効果ガス総量削減義務と排出量取引制度」において、地球温暖化対策が優れている事業所として準トップレベル事業所に認定されました。
今後も効率的プラント運営、エネルギーの面的有効利用、高効率プラントの新設および既設プラントのリニューアルによる効率向上などに取り組み、2025年には大丸有地区における同社地域冷暖房システムのエネルギー効率での2007年比30%向上と、CO2排出量の原単位30%削減をめざします。

丸の内二丁目センター
東京都環境確保条例におけるトップレベル事業所の認定
—東京都「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」—
三菱地所(株)が全部又は一部を所有するオフィスビルの内、丸の内ビル、日比谷国際ビル、新大手町ビルが「トップレベル事業所」に、東京ビル、山王パークタワー、新青山ビル、赤坂パークビルが「準トップレベル事業所」に認定されました。
「トップレベル事業所」「準トップレベル事業所」とは、東京都環境確保条例において、地球温暖化対策が特に優れている事業所に対し認定されるもので、認定されると、温室効果ガス排出総量の削減義務率の緩和を受けることができます。
これは、「地球温暖化対策協議会」の開催などテナントの皆さまと一体となった省エネ活動の推進体制の構築や、環境負荷に配慮した高効率機器の導入、温室効果ガス排出を抑制するためのきめ細やかな設備の運用など、「体制」「設備性能」「設備運用」面での多岐にわたる取り組みが評価されたものです。
また、同認定において、三菱地所グループの丸の内熱供給(株)(地域冷暖事業)及び池袋地域冷暖房(株)の2社が、「地域冷暖房施設」の分類で、丸の内熱供給(株)(地域冷暖事業) 丸の内一丁目・二丁目センター、池袋地域冷暖房(株)のそれぞれで「準トップレベル事業所」に認定されました。
同様に、東京都環境確保条例における地球温暖化対策計画書制度(前制度:2005年度〜2009年度)の結果報告書においても、三菱地所が所有又はアセットマネジメントを受託している日比谷国際ビル、三田国際ビル、新大手町ビル、朝日生命大手町ビル※の4事業所、及び池袋地域冷暖房(株)が、東京都より最高評価であるAAA評価を受けました。
三菱地所グループでは、今後も引き続き環境負荷低減に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。
※朝日生命大手町ビルは、所有者である常盤橋インベストメント特定目的会社より、三菱地所がアセットマネジメント業務を受託している物件。

日比谷国際ビル(東京都環境確保条例におけるトップレベル事業所として認定)
所管ビルにて「ECO大賞」を実施
ビル全体のCO2排出量を抑制するためにはテナントの皆さまと一体となった省エネ活動が必要ですが、札幌所在の三菱地所グループ(三菱地所(株)札幌支店、(株)三菱地所プロパティマネジメント(ビルの総合的運営管理事業)札幌営業所、(株)北菱シティサービス(ビル及び住宅・スポーツ施設の管理運営事業))では、「北海道洞爺湖サミット」を契機に「北海道ビル」と「新北海道ビル」にてテナント参加型の省エネコンテスト「ECO大賞」を毎年夏に実施しています。2010年度は、両ビルとも全床面積の8割から9割にあたるテナントが参加しました。
床面積1m²あたりのCO2排出量および抑制率の実績を毎月通知し、3ヶ月の実施期間終了後、各ビルの1位から5位のテナントを表彰しました。
この取り組みは今後も継続して実施する予定です。

「北海道ビル」の各テナントに配布した月次報告シート(サンプル)
自然エネルギーの活用
三菱地所(株)では、2002年度より年間100万kWhの風力発電を日本自然エネルギー(株)に委託しています。また、2007年4月より「横浜市風力発電事業」に協賛しています。

東北自然エネルギー開発(株)能代風力発電所
英国におけるCO2削減に向けた取り組み
三菱地所(株)が英国保険会社と共同で開発したセントラル・セント・ジャイルズが、2010年4月に竣工を迎えました。このビルは熱源の約8割をバイオマスボイラーが担う設計となっています。ロンドンではガスを熱源とするビルが主流である中で、バイオマスボイラーは、熱を作り出す過程で発生する二酸化炭素と原料である木の成長過程で大気中から吸収される二酸化炭素が同量であることから、カーボンニュートラルとされています。
原料であるペレットも木材加工の際に生じる端材や間伐材を加工したものであるため、ほかの燃料を使う場合に比べてより環境に配慮したシステムとなっており、低炭素排出ビルの運営に貢献しています。

セントラル・セント・ジャイルズ
夏季省エネルギー活動をスタート
(株)三菱地所プロパティマネジメント(ビルの総合的運営管理事業)がPM業務を行う汐留ビルディングでは、2008年から毎年7月、夏季省エネルギー活動を実施しています。
3年目を迎えた2010年は、専用部・共用部の夏季空調温度設定など、省エネルギー対策への理解・協力を呼びかけるとともに、就業者やビル来館者の環境活動への取り組みを促進するため、オフィスエントランスにて、2,000枚限定でシードペーパー※を配布しました。また、商業ゾーンの宣伝部長・浜 松男(ハマ マツオ)に続く汐留ビルディングのキャラクターとして、エコ活動推進部の担当・早田 エコ(ソウダ エコ)を投入しました。
※シードペーパー:土に還る100%再生紙に野草の種を漉き混んだ紙。一晩水に浸した後、土の上に置き、薄く土をかけて水やりをすると5〜10日ほどで発芽する。

館内に設置したポスター
「エコポイント対象の住宅基準」への対応について
三菱地所レジデンス(株)(不動産開発全般並びに販売事業)では、分譲マンションの省エネ性能について、高効率な潜熱回収型ガス給湯器やペアガラスの採用を標準仕様としています(首都圏物件のみ)。
また、住宅版エコポイント制度への対応に関しては、工事期間が同制度の対象期間となる全物件について「エコポイント対象住宅基準」を満たす仕様としています。
また、一括受電と太陽光発電を組み合わせたsolecoシステムの物件への採用を進めています(一棟あたり住戸数40戸以上が対象)。
マンションの管理組合への環境配慮提案
三菱地所コミュニティ(株)(マンション・ビルの総合管理事業)では、主に竣工後3年を経過したマンションの管理組合に対して「省エネ計画書」を作成し、省エネルギー提案を行っています。2010年度は50件の提案を行いました。
マンション管理運営における省エネルギー対策として、電気使用量の多くを占める共用廊下、エントランス、外周部分などの照明のタイマー設定時間の見直しや、電力契約メニューの適正化など、きめ細かく提案しています。






