トップコミットメント

企業価値の向上と社会価値の提供を目指して
サステナブルなまちづくりに挑戦し続けます。

三菱地所株式会社
執行役社長
吉田 淳一

新本社を起点に新たな価値を創出し、まちづくりへ還元する

当社グループは、事業環境の変化にあわせて長期的に新たな価値を創造していくために、社員全員がチャレンジ志向を持って業務に取り組める環境づくりの一環として、2018年1月に新本社へ移転しました。新本社では、フリーアドレスを導入したほか、執務スペースを兼ねた共用スペースを多く設置しました。これによって偶発的なコミュニケーションが生まれやすく、イノベーティブかつ効率的な働き方を実現できる執務環境を目指しています。また、最先端技術の実証実験を積極的に導入し、将来的にはその成果を社会に還元することで、まちに集う人々の生活をより豊かにし、日本の中心である東京をはじめとしたまちの魅力向上に寄与していくことも、本社移転に込めた狙いです。そして、移転を完了して満足するのではなく、社会課題やお客さまのニーズなど社会からの声に耳を傾け、新たな取り組みに挑戦し続けます。

旧本社「大手町ビル」の今後

大手町ビルは今年で竣工60年を迎えます。一般的なビルは築50年を経過すると建て替えを行うことが多いですが、古くなったから建て替える、という考えだけではなく、既存ストックの有効活用によるサステナビリティへの寄与や地域景観の維持にも貢献していきたいと考えています。建て替えではなく、大規模なリノベーションを行うことによって、今まで以上に地域に根差し、さまざまな価値を発信していく場という新たな顔を持ち、引き続き就業者の皆さまに親しまれる「100年ビル」になってもらいたいと思います。

変わりゆく事業環境をチャンスと捉える

日本は人口減少が進んでおり、不動産業について悲観的な声も聞こえてきますが、建物などの「ハード面」だけでなく、そこを利用する人たちが必要とする「ソフト面」を含め、常に社会の要請に耳を傾けることで、当社グループのまちづくりはその価値を維持できると考えています。

長期的に見て、人口減少の流れを止めることは困難です。しかし、必要なエリアに必要な資源が集まることで、都市は経済的に力を発揮できると考えています。特にインバウンド対応では、経済と観光の両面から、それぞれのエリアの持つ特性を活かして、訪日外国人やまちを利用する全ての方々に対して日本の良さを訴求していくことが重要です。

また、高齢化していく社会において、現時点では顕在化していないニーズを掘り起こしていく必要があります。アクティブシニア層だけでなく、全ての人々が快適にまちを利用できるようにするために何をすべきかを永続的に考えていかなければなりません。例えば、商業施設運営を専門とするグループ会社では、社員がサービス介助の知識と実技を学ぶ研修に取り組み始めています。このように、社員一人ひとりが目の前のお客さまをより身近に具体的にイメージして、“まちづくり”に携わっていく必要があります。

最先端技術の導入によるノウハウの構築

AIやIoTなどの最先端技術分野についても、引き続き前向きに取り組み、それらの活用を通じて働き方改革を進めるとともに、まちの魅力をより高めていきます。多様な人・企業が集い、交流することを通じて進化していくまちにおいて、技術を持った会社を誘致するだけでなく、ビルの運営管理はもちろんのこと、まちのエリアマネジメントなどに関する実証実験を積み重ねることは、当社グループとしてもそれらを活用したまち・建物・施設の運営管理ノウハウを蓄積し、世界に対して発信するためにも大きな役割を果たすと考えています。

気候変動への対応

当社グループは2050年までの長期環境ビジョンにおいて、全ての事業活動で高い環境技術を磨き、新たな価値創造に挑戦することを、自らの成長戦略として位置づけています。

これまでにも、開発物件における省エネ対策や緑化など、維持管理の段階も含めて環境破壊につながる要素を減らしていく責任があることを認識し、積極的に取り組んできました。2015年のパリ協定の締結(COP21)に始まり、日本政府が再生可能エネルギー100%利用への意思表明をするなど、気候変動問題は国単位かつ地球規模的に捉えなくてはいけないイシューです。日本においては人口減少が社会問題となっていますが、世界的に見れば人口は増加し、それによって気候に与える影響は計り知れないと言われています。

大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリア(約120ha)という広大な面積のまちづくりに深く関わる当社グループだからこそ、エリア全体でのCO2削減に向けて先陣を切って取り組んでいかなければなりません。都市開発は自然災害を誘発すると言われる中、総合不動産事業を営む当社グループの使命として、従来のスクラップアンドビルドでの都市開発だけでなく、リノベーションなどの既存ストックの有効活用や、ビル単位での電力の自給自足など、取り組めることは数多くあると認識しています。

また、当社グループが手掛けている空港運営事業の中でも、とりわけ沖縄県宮古島市の下地島空港等においては、周辺環境・生物多様性への配慮も忘れてはなりません。そこにはエリアの特性である大切な“自然観光資源”があり、当社グループが事業拡大するうえでそれを棄損することがないよう、注視していきます。

SDGsをテーマに社会価値の創出に貢献

当社グループは、三菱グループ全体の経営理念である「三菱三綱領」に基づき、基本使命において、「まちづくりを通じて真に価値ある社会の実現に貢献します。」と謳っています。2015年9月に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)のSDG11は「住み続けられるまちづくりを」という目標であり、そのために必要とされる4つの要素:包摂的、安全、強靭、持続可能(Inclusive, Safe, Resilient, Sustainable)はどれもが重要で、一つでも欠けては成立しません。当社グループでは、BCPの策定、防災訓練等を通じた高度防災都市づくりや生物多様性への取り組みなど、SDG11の実現に寄与する実績を多岐にわたり積み重ねてきました。さらには、それに加えて「可変性(Variability)」という要素が重要であると考えています。当社グループ内の価値観を脱し世界に目を向けると、さまざまな文化や宗教、習慣、価値観を持った人々が存在します。それらのあらゆる価値観を持つ人々がコミュニケーションを取りやすいまちをつくる。それこそが長期的な視点から見た住み続けられるまちづくりであり、「可変性」はサステナビリティに通じる必要な要素だと感じています。

当社グループは、2015年に5つのCSR重要テーマとそれらに基づく28のKPIを設定し、サステナビリティ戦略の評価指標としてPDCAを回してきましたが、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資の機運やSDGsへの取り組みの拡大を受けて見直しが必要と考えています。CSRと経営の統合を本格化するために、行動指針の改定および人権方針の策定を行ったほか、2018年4月には企業としての姿勢を明確にすべく、国連グローバルコンパクトに署名しました。また、外部で起きているさまざまな社会問題を自分ごととして捉え、担当する事業を通じて解決すべく取り込んでいく意識改革が必要であると考え、SDGsに関する本格的な社内ワーキングを2018年度より開始しています。

持続可能な企業価値向上に向けたESGへの取り組み

国連でのSDGs採択後、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資Indexの選定を発表したことを受け、日本国内におけるESGへの意識が明らかに変化したと感じています。現実として全世界のESG投資は2016年時点で2,500兆円まで増えたと言われるなど、定量的かつ客観的な判断材料も見られるようになりました。

当社グループとして、ESGについては、関連法令の遵守はもとより、社会と共生して長期的な視点を持ったまちづくりを行うこととして取り組んできました。そうした自負はありますが、今後はこれまで以上に、事業を通じたESGへの配慮や公明正大な情報開示を進めていきます。特にガバナンスについては、昨今、企業による隠蔽や改竄問題が多発しており、それまで積み上げてきた信頼が水の泡となる瞬間を幾度となく目の当たりにしてきました。取締役会の運営にあたっては、株主や社外取締役の意見をより一層取り入れやすい仕組みとし、客観性・透明性が担保された経営に努め、ステークホルダーの皆さまからの信頼を維持・向上させていきます。

サステナブルな組織を目指して

サステナブルな企業になるためには、目まぐるしく変わりゆく事業環境、社会のニーズを先取りし、事業に落とし込んでいく変革力が求められると考えています。これからの日本においては、人口減少に伴いAIやIoTが人に代わってさまざまなタスクをこなすようになり、我々人間一人ひとりの役割が変わってくる将来すら見え隠れしています。ここからは私の推測ですが、とある卓越した専門知識を持つ人間が一つの組織に納まるのではなく、自身の能力を発揮できるリソースを持つ会社・空間・エリアを選んで仕事をする世界がすぐそばまで来ていると思います。我々企業は、選ばれるための“何か”を持つために、社員がもっと外に出て外部と連携しやすい環境を整え、さまざまな業種で活躍する専門性の高い方々とのリレーションを構築していく必要があります。

また、ESGやSDGsについても、企業がサステナブルな組織であり続けるための大きなファクターの一つと捉えています。潜在的な機会とリスクを全社横断で分析し、経営に統合していくことで、さらなる企業価値の向上と社会への価値提供を目指していきます。

三菱地所株式会社執行役社長
吉田 淳一

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